サッカーファンのみならず、日本国民ならず、世界中の多くの人々に感動を与えたなでしこジャパンの快挙。
ドイツに勝ち、スウェーデンに勝ち、と決勝トーナメントの階段を着実に登っていくなでしこたちの戦いは、当初は海外では「驚き」
としか受け止められていませんでしたが、決勝戦で残り時間わずかの中での２度にわたる同点弾、そしてＰＫ戦での圧勝は、アメリカメディアでは「脱帽」といった論調で報じられています
もはや「驚き」ではなく、決勝戦の相手国も認めた日本の実力
アメリカの新聞では、アメリカがずっとゲームを支配していたと強調した上で、なでしこは最後まで粘り強かったという論調で今回の決勝戦を報じています
試合終了直後に、「不屈のチームが日本を元気づける」という見出しで記事を出した地元ＮＹタイムズ紙でのコメントを抜粋すると、
もし日本がラッキーだったと言えるなら、日本チーム自身が運を引き寄せた。
アメリカは、ＰＫ戦で負けるのではなく、４－１で勝ったであろうこの試合をずっと後悔するだろう。日本は決してあきらめなかった。
Ｗ杯で試合に勝つごとに、日本チームの自信は、その愛称なでしこの花のように花開いた。
なでしこ勝利の翌日のエンパイアステートビルディング。
時差のおかげで、ドイツ戦、決勝戦はともに週末の午後。決勝戦当日は、普段はスポーツといえば野球とバスケ、アメフトばかりのアメリカ人たちも街中のバーに大集合
完全にアウェーの日本サイドも、マンハッタンのあるバーでは日系の企画会社主催のイベントが催され、なんと６００人を超える人が集まったそうです。私が行ったバーにも、数十人の日本人が一区画にいて、店内はどちらのチームがゴールしても大騒ぎでした。
アメリカのマスコミも、なでしこの活躍をたたえるものの、メディアで最初に報道されるのは自国アメリカチームの情報。アメリカチームでの大黒柱２０番のWamback選手はどうやらＮＹ出身のようで、兄弟がNY郊外で経営するバーにサポーターが集まっていた様子や、タイムズスクエアに凱旋帰国したときのインタビュー等、完全にアメリカ寄りの報道が続いています。
世界の舞台で戦うことの大変さは、過去に何度か記事にしてきました。
バンクーバー冬季オリンピック時に書いた記事は、
世界基準を知るということ
続・世界基準を知るということ
アテネオリンピック体操金メダリスト米田選手とのどきどきの対面を書いた記事は、
米田選手に直撃～前編～
米田選手に直撃～後編～
今回なでしこのすごいところは、相手に合わせるのではなく、自分たちのスタイルを貫いたことではないかと思います
従来サッカーのように身体能力に大きく依存するスポーツでは、アジア人は欧米人に比べて不利と言われ、攻撃的な相手に対峙するときには守備中心の布陣で臨むことも少なくなかったです。しかし、自分たちの特徴を最大限に生かして、そしてそれを武器にして戦っていたなでしこの底力が、世界でも通用し、高く評価されたことはとてもうれしいです
勝利から一夜明けた月曜日の夜のエンパイアステートビルは日本色にライトアップ。急いで写真を撮りに行ったのは、きっと私だけではないはずです。
