NYから日本を考える NYに住む

世界に広めよう、BENTO文化

NY生活でいまだに不便を感じるのは、「正統派の」日本食が手に入りづらいこと。
ここでの「正統派」とは、日本にある敷居の高い高級和食やさんの味ではなく、ごくごく普通に毎日食べている家庭の味。

日本にいたころは、仕事の忙しさを理由に自炊とはほど遠い生活を送ってきましたが、NYに来てからは、毎日せっせと和食を作っています。


それは、
・手軽にお惣菜が手に入らない(NYのデリやコンビニでは、もちろんサンドイッチしか売られていません)
・Japaneseの看板を出しながら、日本人でなく韓国人や中国人が経営しているお店が多く、全然Japaneseでない
・日本人経営のきちんとした和食はレストランでしか食べられないので、毎日は行けない
・健康的な暮らしのためには、自炊が一番
という理由から自然とそうなっています。

しかし、自炊にも大きな壁がそれは、食材調達が困難ということ。
和食に使う野菜(大根、ゆず、ナスといったもの)は、アメリカのスーパーでは売られていないため、日系スーパーに行かなければいけないのです。しかし、広いマンハッタンで日系スーパーはなんとたったの7軒
値段はもちろん日本より高めそして、競争原理が働いていないため、日本のスーパーでは考えられないぐらいに鮮度の低い野菜が店頭に並んでいたりすることもしばしばまた、日本からの冷凍輸入等による関係からか、すべての食品に賞味期限が表示されているわけではないため、きちんと表示を確認しないと、普通に売られている賞味期限切れや期限間近の商品を手にしてしまうことも。そんなことから、スーパーでも商品チェックのために気が抜けません。

手に入る食材が限られていることから、レパートリーも自然と制限されてきてしまいます

私が一番好きな日系スーパー、ダイノブ近くにあるイベントスペース。期間限定でさまざまなイベントが行われているのですが、最近はこんなパフォーマンスが小さな坂で人が寝転がっていて、その動きにあわせて音が流れるのですが、何を表現しているのかはさっぱり分かりません

イベントのポスター。あまりに不思議すぎて、立ち止まって眺めている人がたくさんいました。

しかし、最近すてきなウェブサイトを発見。
Just Bento  http://justbento.com/

幼少期を海外で過ごし、現在はスイスと南フランスを行き来している伊藤牧子さんという方が作ったウェブサイトです。

日本の食文化を誰よりも愛し、食べるのが大好きという伊藤さんが作るBENTOは、味、栄養のバランス、安さ、コンパクトなサイズにこだわった伝統的な「お弁当」。海外で注目されがちな見た目重視のBENTOではなく、現地の素材をなるべく有効に使いながら、必要最小限の材料を用いて 、本当の日本の味を再現しています

2003年、日本の食材と家庭の味を伝えるために始めたウェブサイトJust Hungry(http://www.justhungry.com/ )が伊藤さんの原点。お米の研ぎ方からだしの取り方といった日本人にとっては当たり前のことでも他国の人たちとっては目新しく、徐々に人気が高まってきたそうです。ロスアンゼルスタイムス等、多くのメディアに取り上げられた同サイトから2007年に独立したウェブサイトが、このJust Bentoです。

海外在住日本人の強い味方になりそうなこのHP、近々ぜひ試してみたいと思っています。


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