ニューヨーカーの出会い方・その3

ニューヨークでのアメリカ人カップル、日本人とアメリカ人カップルに続いて、今回はニューヨークでの移民同士のカップルについて書いてみたいと思います。

グランドセントラル駅のアップルストアのりんごマークもクリスマス仕様で赤い色に!

 

 

中学生の時に、地理の先生が、「アメリカにはニューヨークという都市があり、多くの移民が暮らしていることから、人種のるつぼやサラダボールと言われています。」と話しているのを聞いて、ニューヨークってどんなところなのだろう、と興味が湧いたのを今でもはっきり覚えていますが、世界のどの都市を見ても、これだけ様々な国の人が暮らしている場所は他にないと思います。

最近仕事でたまに利用するFulton street駅に続くショッピングモールのツリーは、日によって色が変わります。

 

 

今、この記事を書いている地下鉄の中を見渡しても、日本人がイメージするようないわゆる金髪白人のアメリカ人は全然見当たりません。
移民にあふれたニューヨークで面白いのは、たとえどんなに色々な国の人と知り合うことが可能なこの街でも、自分の出身国の人と付き合ったり結婚したりしているケースが多いということです。

当然ですが、よほど幼少の時に移住しない限り、自分が生まれ育った国の価値観や生活様式、食生活が身体のすみずみまで染み渡っています。私自身も、ニューヨークでの生活が8年も超えたので、アメリカ流価値観を「頭で」理解し、渡米当初には疑問だらけだった日本と異なるアメリカの考え方に対する違和感はほとんどなくなっています。それでも、私は日本人であることには変わりがないので、どんな物事に対しても、アメリカのものをそのまま受け入れるのではなく、いつも、日本ではAだけれどアメリカではBやCである、といった感じで、何かの判断基準から日本の軸がなくなることはありません。また、食についても、もし風邪をひいたら、こってりしたお肉ではなく、おかゆや生姜湯を飲みたいと思うし(アメリカ人には風邪の時に消化の良いものを食べるという感覚は少ないようで、遠い知り合いの人がアメリカ人の旦那さんに体調が悪いときにお肉を出されて腹が立ったという話を聞いたことがあります。)、アメリカのバーでよく見かけるバッファローウィングよりも、見た目は似ているけれど、日本の唐揚げの方がずっと美味しいと思うし、フレンチフライであれば、ほくほくしたモスバーガーのフライドポテトの方がアメリカの有名店で出されるフレンチフライよりも美味しく感じます。

そんな感覚は、どんな国の人にもそれぞれ違った形で存在していて、私のように、宗教にこだわりのない世界的にも稀有な国から来た人を除き、他の多くの国の人たちは、まず、自分と同じ宗教(それも宗派も一緒)ということに重きを置いていたりもします。
宗教は、日々の生活の中に浸透していて、週に1度お祈りに行くという形式的なものではなく、どんな宗教の人であれ、それなりに信仰深い人であれば、毎日お祈りをしたり、宗教に基づいた伝統行事も年間を通じてたくさんあるので、信じる宗教が違うということは、性格が合う合わないというよりも前に、価値観が根底から違うことを意味するのです。

12月というとクリスマスをイメージしますが、クリスマスを祝うのはクリスチャンだけ。ニューヨークに多く住むユダヤ教徒やイスラム教徒にとっては、クリスマスは全く関係ない行事です。

 

 

こうした事情から、パキスタン人の同僚は同郷のパキスタン人の女性と結婚しているし、セルビア人の同僚は、出身国は違ってもセルビアの血が流れたロシア人と結婚しているし、中国人の同僚たちは中国人と付き合ったり結婚したりしているのです。日本人も同様で、宗教の壁が低いので、他国の人と一緒になることは、他の国の人よりも敷居が低いですが、やはり、言葉や食といった事情から、日本人は日本人と一緒になることが多いです。

世界の各地にあるチャイナタウンは一番分かりやすい例かもしれませんが、あそこまで大規模とはいかなくても、ニューヨークには、様々な形で同じ出身国同士の人たちのコニュニティーが存在しています。それが顕著なのは、マンハッタンのお隣、クイーンズで、ここでは、この駅はウズベキスタン人が多いとか、そのお隣の駅にはジャマイカの人がたくさん住んでいるといった形で、自然と同じ国の人たちが同じエリアに住んでいます。はるか昔に移住した人が、たまたま住むことになった地域に出身国のスーパーやレストランを出店したことがきっかけで、後に続いて移住した同じ国の人たちが自然発生的に集まってくる、という流れが一般的だと思います。

日本人はあちこちに散らばって住んでいますし、数も決して多くはありませんが、習い事や日本関連の催し、友人のホームパーティー、(日系企業に勤めていれば)職場、語学学校、大学、友人の紹介といったあらゆる形で知り合う機会があり、こうしたところで知り合った人たちと繋がっていきます。

日本では、「世界の日本人妻は見た!」という番組にあるような国際結婚カップルについての興味も高いのではないかと思いますので、そのへんの事情はまた追ってご紹介できたらと思います。

チェルシーマーケットでブランチ。お隣のアメリカ人にもlooks goodと言われたホットケーキはアメリカサイズ。

ニューヨーカーの出会い方・その2

こちらの記事では、皆が思い描くようないわゆるニューヨーカー、アメリカ人同士の出会い方について書きました。今回は、国際カップル、アメリカ人とその他の国の人とのケースについて見てみたいと思います。

Fulton street駅のツリー。

日本では、アメリカに住んでいる日本人はアメリカ人と付き合っているケースが多いのではないかと思っている方も多いかもしれませんが、実際のところ、ニューヨークでは、日本人は日本人と一緒にいるケースがほとんどです。
国籍の違う人と一緒になることには、言葉の壁以上に違いが多く、色々なところで調整が必要になってくるので、多大なる努力が必要なのです。そのため、お互いが異文化に興味があったり、相手の出身国のことが好きだったりした方が良いです。また、日本で暮らしていた時には考えもしないところで妥協する柔軟性も求められます。例えば、家の中で土足で生活するか、靴を脱ぐかということも相手と話すことになるでしょうし、一番大きなところでは、食生活を合わせることかもしれません。

日本人同士であれば、夜ご飯に毎日白米とお味噌汁が出てくることに疑問を持つ人はいないと思いますが、日本人でなければ、まず、そうしたことに抵抗を示す可能性が高いです。
また、欧米人が好きな和食は味の濃いものが多いので、肉じゃがのようなものは受けが良いですが、切り干し大根の美味しさはなかなか分かってもらえないでしょう。アメリカ人と出張をすると、たった数日間でも好きなものが食べられず、それが予想外にもストレスになるのですが、自分の口に合ったものを食べられる環境がこんなにも大切だということは、日本の外に出るまで考えたことがありませんでした。国際カップルに立ちはだかる食生活のギャップは思った以上に大きいです。

そんなこともあって、ニューヨークでは、日本人同士のカップルが圧倒的に多いですが、中にはアメリカ人と付き合っていたり、結婚したりする人もいます。日本人男性は、日本人女性以上に日本人と一緒にいることが楽なようで、ニューヨークで見かける国際カップルの大半は、日本人女性とアメリカ人男性のカップルです。

911 memorialの横にある高級ショッピングモール、Brooks fieldのツリー。

一番よく聞く出会いは、language exchangeや大学や大学院のクラスメートといったケースだと思います。日本語を熱心に学ぶアメリカ人と英語力を向上させたい日本人が、学校を通じてlanguage exchangeという形で知り合い、定期的に会って一緒に語学の勉強をしているうちに、友達関係を超えて仲良くなるというのは、割と一般的です。この場合、お互いに相手の国の言語や文化を学びたいという意欲があるので、打ち解けやすいと思います。また、大学や大学院のクラスメートといった形で学校を通じて知り合った場合、共通の友人も多く、学校の課題を一緒にこなしたりといったことを通じて仲良くなりやすいのだと思います。

その他で一番よく聞くのは、前回の記事でも書いたオンラインです。
国際カップルの3割ぐらいは、オンラインで知り合っているといっても過言ではないぐらいに、オンラインデートは普及しています。
オンとオフがはっきりしているアメリカで、職場で付き合うことはなかなかあり得ず、日本人は日本人同士でいるほうが居心地が良い場合が多いので、プライベートで日本人の輪の中にいると、オンライン以外でアメリカ人男性と知り合うことはなかなか難しいのが現実なのです。

それ以外では、ホームパーティーで知り合うこともあると思います。
ホームパーティーの場合、パーティーの主催者の仲が良い人が招かれ、その人たちの友人が参加したり、といった形なので、自分の友人がきちんとした人であれば、そのパーティーで知り合う人もきちんとした人であることがほとんどなので、そういった意味で安心できるのかもしれません。

ブライアントパークのツリー。

どんな形で知り合ったとしても、アメリカで知り合っている以上、相手が日本語がペラペラということはまずありえないので、日本人側の英語力が高くて、相手ときちんと意思疎通ができるということが、その他の文化や育った環境の違いを埋める前の必要最低条件のように思います。