ニューヨークにひそむ誘惑とは?!

帰国子女でもなく日本で生まれ育った私が大人になってからニューヨークへの移住をした経験をもとに、先日、このブログ内に「グリーンカード取得まで」というカテゴリーを作りました。

NY移住を考えている人は、ごくごく少数かもしれませんが、私自身が、留学ではなく、仕事を探すための渡米を考えていた時に、少ない情報の中で綱渡りという状態だったので、自分の体験談が、本気で渡米を考えている人の一助になれば、と思います。

また、ニューヨークには、自力で渡米して輝いている日本人女性がたくさんいるので(日本人男性の場合、会社からの駐在という形の人が多いので、自力渡米というパターンはかなり少ないです。)、なかなか踏み出せないけれど日本で高い能力を発揮している女性たちにとって、人生のある時期、海外で働いてみる、という思い切った行動をしてみることで、もしかしたら、人生の視界がかなり開けるのではないかという想いもあり、この「グリーンカード取得まで」というコーナーは、そうした日本人女性たちへの応援の気持ちも込めています。

ニューヨークで仕事を探すということを考えた場合、人材紹介会社へ登録をする前に、絶対にしておくべきことを前回の記事(こちら)では紹介しましたが、その理由が、その部分がゆらいでしまうと、ニューヨークがもたらす数々の誘惑にはまってしまい、結局何も成し遂げられないまま時だけが過ぎてしまうということになりかねないからです。

その誘惑とは、例えば、遊びの誘惑。ニューヨークと東京は傍からみたら同じような大都市かもしれませんが、ニューヨークの方が遊びの幅は広いと思います。おしゃれなバー、次々にオープンする話題のレストランやホテル、あちこちで開かれているイベントやパーティーにクラブと枚挙にいとまがありません。もちろん、社交のためにそうしたところに行くことも時には必要ですが、もし、本気で仕事や勉強をしようとしていたら、まずはそれにつながることを優先すべきで、そうしていると、そういったところに行っている時間もおのずと限られてくるはずです。

ルーフトップバーがあるニューヨークのホテルは多く、ブランチや仕事後に一杯するニューヨーカーで賑わっています。

 

また、日本では考えられないほどに色々な人生を歩んできて、見かけも、考え方も違う人たちがニューヨークでは暮らしていて、ニューヨークはむしろ、そうした人たちの集まり、といった方が自然かもしれません。ほぼ単一民族と言える日本のような国から来ると、目新しいものばかりで、全然面識がないのにちょっと親切にしてくれた人、声をかけてくれた人が、なんとなく良く見えてしまう人もいるかもしれません。
ニューヨークという土地柄、街中やスタバで簡単に声をかけてくるような人は普通にいますが、当然ですが、そういった人たちは普通ではないことがほとんどだと思います。
冷静に考えれば分かることでも、渡米当初、ちょっとでも英語を話してみたい、といったような思いでいるとうっかりまた会う約束をしてしまう人もいるかもしれませんので、ここではちょっと触れてみました。以前もこのブログに書いたことがありますが、そういった人たちは渡米間もなくて初々しそうな人たちを狙っているのです。

カザフスタン出身の親しい友人との思い出のカフェ。

 

さらに、異国の地での仕事探しは大変なので、自分を安売りしてしまい、結局取り返しがつかなくなってしまうということにも注意したいです。
なかなか仕事が見つからなくて焦ってきてしまった時に、ビザサポートをしてくれる会社が出てきたら、藁にもすがる思いで飛びつきたいところですが、その仕事が、自分がニューヨークでやりたいことを実現するための道筋の上に乗っているかどうかの検討はとても重要です。
日本での職務内容よりもかなり低いレベルの内容だったり、お給料が低すぎたり(ニューヨークで日本人が設立したローカルの日系企業(日本の会社のニューヨーク支社ではないです)の中には、ニューヨークで働きたい人が仕事探しに苦労しているのを知っているので、悪徳ブラック企業の場合(意外とあるので注意が必要です!)、そうした人たちの足元を見て、かなり劣悪条件を提示したりしています。)して、ニューヨークでキャリアを築くどころか、生活に困窮してしまい、その後の未来が閉ざされてしまったり、元のレールに戻るまでに時間がかかったりしてしまいます。自分を過大評価することは禁物ですが、日本人にありがちな謙虚さを全面に出して、自分を過小評価しないことも重要です。

私の身近にはいませんが、日系企業で正社員の仕事をしていながら、生活費を稼ぐために、夜はピアノバー(日本でいうキャバクラ。ニューヨークにある日系のキャバクラにはなぜか昔、ピアノが置いてあったことの名残で、今でもニューヨークではピアノバーという名称が定着しています。)で働いていたり、また、フリーランスのアーティスト(ダンサーやミュージシャン)としてのキャリアを目指しているけれど、まだまだそれだけでは稼げないので、仕事がない時間は日本食レストラン等でのアルバイトに精を出し、逆にそちらが本業のようになってしまって、本来の夢のために使う時間も体力もなくなってしまったりということも、ニューヨークではよく聞く話です。

タクシーでの仕事帰りの夜景。

 

「夢を叶えるために」ニューヨークに住むのではなく、ニューヨークに住むということ自体に憧れていると、気づかぬうちに、自分が本当にやりたかったことを見失ってしまい、少しでも長くニューヨークに居続けるために、生活費の高いニューヨークで暮らすための生活費を稼ぐということに知らず知らずのうちに軸足が移ってしまうのです。

一度移ってしまった軸足を戻すのには相当なエネルギーがいりますし、そこに至るまでの時間も労力もとてももったいですし、日本に帰った後のキャリア形成にも響くことになってしまうので、ニューヨークで本当にやりたいことを日本でじっくりと考えるという時間はとても大切だと思います。