海外生活を夢見ていた頃、きっと海外に2年間ぐらい住んだら、英語は見違えるように上達して、テレビに出てくるアメリカ人並み話せるようになるんだろうな~、と漠然とした期待を抱いていました
しかし、そんな期待が幻想として消えていくのには、こちらへ来てからそれほど時間はかかりませんでした
こんなことを言ったら、日々英語の勉強をがんばっている人の夢を壊してしまうかもしれませんが、英語は私たち日本人が思っている何倍も難しい言語であることは間違いありません。
なぜなら、言語は言語として独立しているのではなく、長い歴史と文化の中で育まれてきたものであり、生活様式や価値観と切り離すことができないからですそのため、こうした背景を全く知らない国の人がその国の言語を勉強しようとすると多くの困難が伴うのです。
ヨーロッパの人が英語を流暢に話すことができるのは、文法配列が同じだからとはよく言われることですが、本当に理由はそれだけでしょうか
英語のルーツはラテン語ヨーロッパの言語はみなラテン語をルーツに持っています。そのため、単語の表記が似ているだけでなく、単語に込められたニュアンスが同じであり、これがアジア人とヨーロッパの人々との英語力の違いに如実に表れています。
私はNYで暮らし始めるまで、私の英語力に最も欠けているのは「単語力」であると思っていました。だからこそ、2年間住んで単語力がつけば、英語はマスターできると信じていたのです
しかし、いま一番痛感する英語の難しさは、「言葉のニュアンス」そして、これを意識して勉強しないと本当の意味で英語を理解したことにはならないし、それはいつしか大きな英語の壁となりうるのではないかと思います。
そして、その難しさは、こうしたニュアンスはネイティブの人からでないと学べないということ
私が最近学んだ生きた英語を、ここで備忘録的に少しずつ紹介していきたいと思います
第1弾は、purse vs wallet
どちらも通常の辞書では「財布」と訳されるこの単語は、どうやって使い分けるのでしょうか
purse:女性用のお財布、カバン(女性が通勤時に持っているようなA4サイズのカバンもpurseと呼ばれます)
wallet:男性用のお財布。なお、男性用のカバンはbriefcase。
ここでのポイントは、男性用か女性用かということですまた、purseは私たちが思っている以上に定義は広く、通常サイズのカバンにも使われます。
私が明らかに男性用のお財布ととれる文脈でpurseと言ったら、とても親しい友人がこの間違いを教えてくれました
英語はなんて難しいのでしょうかでも、だからと言って勉強することを放棄してしまったらそこで英語力は止まってしまうので、悪戦苦闘を繰り返す毎日です。
次回は、アメリカ人の友達に「こんな質問初めてされたよ~。」と言われたこれまた微妙な2つの単語の違いを考えてみたいと思います。