久しぶりの投稿になってしまいましたが、アメリカは、7月4日の独立記念日を前に、お休みモードの人が多いです。今年は独立記念日が木曜日に当たるため、金曜日もお休みをとって4連休という人も多いことでしょう。
今日は、ここ数年、ニューヨークでお店が増え続けているラーメンにまつわる面白いお話です。
和食=SUSHIと思うアメリカ人はいまだに多くて、日本人は毎日お寿司を食べていると思われていたり、夜友達と和食を食べに行く、とアメリカ人の同僚に言うと、SUSHIもあるお店?と聞かれたりするぐらいに、アメリカでは、和食といえばSUSHIという時代が続いています。
そこに新たに入ってきたのがラーメン。人気ラーメン店はニューヨーカーたちで賑わっています。
こちらは、割と最近イーストビレッジにオープンしたTABETOMO。また行きたいと思うほど美味しかったです。
2008年に一風堂がニューヨークに進出したのを皮切りに、特にここ数年、ニューヨークでは、雨後の筍のように、ラーメン屋さんが続々とオープンしています。人気のラーメン屋さんに共通することといえば、日本では絶対にありえないある事実。
ラーメンのスープが「ぬるい」のです。
テーブルに届いた時に既にぬるいのですが、これは、アメリカ人が熱々のスープを飲めない、ために意図的にぬるくしているのです。
TABETOMOのつけ麺もぬるめでしたが、このお店が良かったのは、途中でウェイトレスが焼け石を持ってきてくれて(写真の左上の黒い塊)、汁を温め直してくれました。NYのラーメン屋で初めて見ました!
他にも、ニューヨークのラーメン屋さんの驚く事実といえば、
・とにかく高い:家賃、人件費を回収するためには仕方がないのかもしれませんが、消費税やチップを入れると20ドルはかかってしまい、気軽に行けません。
・とんこつ主流:アメリカ人はこってりしたものが大好き。同僚のランチや一緒に飲みに行った時に頼むメニューを見ると、揚げ物ばかり。そのため、塩味やしょうゆ味のようなさっぱり系のラーメンは、どんなに美味しくても、アメリカでは主流にはなれません。
・麺の質が低い:ニューヨークのラーメン店の麺のほとんどは、アメリカで現地生産しているある麺会社のものだそうですが、日本のラーメン屋さんの麺と味は雲泥の差です。
・長居しても大丈夫:日本のラーメン屋さんは、いかに回転率を多くしてお客さんを多く迎えるかが鍵だと思いますが、ニューヨークのラーメン屋さんは、普通のレストランのような位置づけです。日本酒のボトルを頼んで、ゆっくり楽しんでいる人たちも普通に見かけます。人気店になればなるほど、内装にも凝っていて、わざわざおしゃれをして来る人もいます。
日本に本拠地を置くチェーンのラーメン屋さんであっても、日本とニューヨークでは、そのスタイルが全然違います。
満を持してNY進出したいきなりステーキについて、去年の8月に、あと1年も持たないのではないか、との記事(いきなりステーキのNYでの挑戦)を書きましたが、海外進出で必要なのは、「資本力」や「日本での知名度」ではなく、いかに「市場調査を徹底的に行うか」なのだと思います。
現地の人の生活スタイルを把握し、どんなものが好まれているのかを知り、自分のビジネスをそれに合わせて変化させる柔軟性がある会社こそがニューヨークで成功するのだと思います。
SUSHI、ラーメンに続く日本の食文化は何でしょうか。数年後が楽しみです。