アメリカ生活が長い私の友人たちは口を揃えてアメリカ生活は楽、と言っています。私も大いに同感しているのですが、ネイティブでなくて不便なことも多いのに「楽」だと感じるのはなぜでしょうか。
それにはいくつか理由があると思いますが、一番の理由は、過度に気を遣わなくて良いからだと思います。あえて「過度に」と書いたのは、アメリカでも相手への気遣いは必要ですが、日本のように必要以上に空気を読んだりする必要がないためです。
今週は、久しぶりに大きく疲弊した1週間でした。月曜日からバスルームの工事が始まり、それが思った以上に大がかりな工事で、いろいろ生活に支障が生じているのです。アメリカの家は基本的にバストイレが分かれていません。そのため、この工事により、お風呂はもう1週間以上使えず、トイレも工事業者がいる日中は使えません。
トイレは、家にいる時は、地下の管理室のトイレを借りています。
ただ、困ったのがシャワー。
そこで考えたのが3つのオプション。実現可能性が高いものから、この3つを思い付きました。
1. 今週からオープンするジムの無料トライアル会員になってシャワーを使わせてもらう
2. 近所に住む日本人の知人に借りる
3. 同じビル内の誰かに借りる
1が一番気楽でいいかと思っていたのですが、なんとニューヨーク市のジムの再開が9月頭まで延期になってしまい、この選択肢がなくなってしまいました。
2ですが、多分頼んだら快諾してくれたと思うのですが、友人と呼べるほど親しい仲ではなく、普段から連絡を取り合っているわけでもないのにいきなりこんなお願いをすることに気が引けました。
そして最後に残った3をトライすることに。コロナがきっかけで、ビル内の数人の間で情報交換のためのメーリングリストができていたので、事情を話して、ジムのシャワーも使えないし、どなたかシャワーを貸してくれないでしょうか、とメールしてみました。もうほぼ収束しているとはいえ、コロナがまだ残っている状況の中で、寛大な人がいるかは未知数でした。
しかし、驚くほど親切なカップルがすぐ隣に住んでいて、シャワーを貸してくれることになりました。
月曜日の朝、8-9時の間に借りることになっていたのですが、当日の朝テキストが来て、「今ちょっとうたた寝してるの。ドアの鍵は開けておいたから、ご自由に入って使ってね。」と言われてビックリ。
会ってお礼を言ってから使わせてもらう予定が、数ヶ月前に一度部屋の前で会って挨拶を交わした以外はメールでしかやりとりをしたことがない方のお家に私はいきなり入り、しかもシャワーを使わせてもらったのです。起こしてはまずいと思って、帰りも挨拶なく、そーっと扉を閉めて戻って来ました。
ニューヨーク生活が長くなりつつあるけれど、日本で生まれ育った私には、この驚くべき気さくさにただただ驚きました。
もちろん私はコロナに感染していませんが、相手がどのような健康状態か完全に分からない状況で、シャワーを貸してくれる寛大さに頭が下がる思いです。
こういうのは普通にあるから全然気にしないで、と笑顔で話すカップル。その気さくさもすごいです。
工事の間、慣れない人の出入りと日中の大きな音でストレスが溜まっている愛猫のケアもあり、すっかり疲弊していますが、この工事ではこれ以外にも良いことがありました。なんだか気づきの多い一週間です。次回に続きます。