クリスマスを来週に控え、アメリカのホリデームードは日に日に高まっています。そんな中、友人が経営するギャラリーで、なんともすてきな展覧会が始まりました。
その名も「世界の編みぐるみ展」。日本の文化や芸術発信に興味を持つ日本人の友人は、数年前に、マンハッタンのお隣、クイーンズにRESOBOXというギャラリーを開きました。
クイーンズといえば、人種のるつぼといわれているNYを象徴するようなエリア。マンハッタンのベッドタウンとして、アジア、中南米、東欧、アフリカ、中東等々、世界中からの移民が住居を構えています。同じ地域からの移民が自然発生的に同じエリアに住み、移民街が形成され、その国の伝統料理が食べられるレストランやローカルなデリやスーパーマーケットがあふれている、そんな場所がクイーンズです。
今回の世界の編みぐるみ展は、日本発祥の「編みぐるみ」、毛糸で編んだぬいぐるみを展示するだけでなく、世界中に伝播している編みぐるみを集め、日本の編みぐるみ文化がどのように広がっていったのかを知ろうという面白い試み。
友人は、なんと1000を超えるあみぐるみ作成や会社に連絡をとり、最終的に世界中から4000以上もの編みぐるみを集めて、それをギャラリースペースいっぱいに展示しました。
そして、今回驚いたのは、日本の編みぐるみの起源はアニミズム(精霊信仰)にある、ということ。
あらゆるものに神様が宿っているというアニミズムの考え方から、日本人は編みぐるみにも魂が宿り、ぬいぐるみを超えたより身近な存在として捉えてきたようです。最近では”mottainai”とローマ字表記もされるようになった日本的考え「もったいない」もそうですが、小さなものもの、ささいなものでも大切にする、という考え方も、アミニズムから来ているのかもしれません。
ギャラリーのオープニングレセプションは、多くのアメリカ人であふれていました。
展示されている編みぐるみたちは、どれもその場で購入することができるので、自分のお気に入りを一生懸命探している人も多くいました。
クリスマスにちなんだ作品も数多くありました。
作成者の出身国により、ぬいぐるみのデザインや色使いは異なってくるので、世界各国の文化を編みぐるみを通じて見てみるのも面白いかもしれません。
今回の展示をきっかけに、編みぐるみ作成者や会社のネットワークを作り、毎年編みぐるみの展示を行っていきたいと意気込んでいたギャラリーのオーナー。我が家にも、とてもかわいい編みぐるみくんたちがやってきて、ホリデーシーズンに華を添えています。
機会があれば、かわいい編みぐるみくんたちに会いに、ぜひRESOBOXへお立ち寄りください。
RESOBOX (ギャラリー内にはカフェも併設されています。)
http://resobox.com/amigurumi-world-14/
41-26 27th Street, Long Island City, NY 11101
Monday, Wednesday – Friday: 11:00AM –5:00PM (Closed Tuesday)
Saturday and Sunday: 12:00PM – 5:00PM