ニューヨークで暮らし始めた当初は、生活の立ち上げと学校の勉強、そして当時は就職活動に大忙しで、英語力向上のためにも、日本人ばかりが集まる場所へはあえて行かないようにしていました
それからしばらくして、今では大切な友人で、私のニューヨーク生活に大きな影響を与えてくれることになる日本人女性と知り合ったことをきっかけに、私のニューヨーク生活の土台が形成され、その後大きな発展を遂げていくことになりました。
どこで暮らしていてもそうだと思いますが、特にニューヨークのように、想像を超えるほどに色々な人が渦巻いている世界で暮らしていくためには、「素晴らしい友人」の存在は、不可欠です。お互いに困った時に自分のことは差し置いてでも助け合え、そして母国語で話ができる友人は、海外生活が始まって早いうちに見つけておきたいです。
彼女を始めとする親しい友人たちを除いては、アメリカ人に囲まれて英語力を伸ばすことしか頭になかった渡米当初の私は、ニューヨークにどんな日本人が暮らしているのか思いを巡らすことはありませんでしたが、本当に色々な生き方や世界が広がっていますので、今日はその一端をご紹介したいと思います
ニューヨークに暮らす日本人は、大きく分けると、こんな方々です。
1 駐在員: 土地柄、日系企業の駐在員はとても多いです。20代後半から30代前半の若手、もしくは40,50代の管理職での駐在に層が分かれます。最近では優秀な若手女性駐在員もいます。
2 大学留学: SUNY(State University of New York)やCUNY(City University of New York)と呼ばれる、州立や市立の大学は私大に比べて学費が抑えられていることもあり、こうした大学への留学生が一般的です。
3 大学院留学: マンハッタンにあるアイビーリーグといえば、コロンビア大学。大学院やMBAには、国家公務員やコンサルティング会社勤務で、会社派遣の方が多いです。また、会社派遣でコロンビア大学やニューヨーク大学のロースクールに通う方々も。その他、日本で一定のキャリアを積んだ女性が、さらなるキャリアアップのために、自己資金でこうした大学院に通うケースも。また、アメリカの方が自由な研究環境があるようで、修士や博士課程の研究者の方も多いです。
4 語学留学: 短期間海外生活を経験するために、学生、または会社を休職したり、会社を辞め、次の仕事までの間に来る人達。ただ、マンハッタンにはそうした人たちを対象とした語学学校が無数にあり、きちんとした学校を選ばないと、英語力上達はおろか生活費を稼ぐために、違法のバイト(学生ビザでは、学外でのバイトは全て違法です。)に精を出し、目的なくニューヨーク滞在を続けることになってしまいます。
5 研修生: 駐在員とは別枠で、1年から1年半ぐらいの期間、海外での就労経験を積むために日本で働く会社から派遣されるケース。20代後半から30代前半の人が多いです。これ以外に、ニューヨークで暮らすために、日本で勤めていた会社を辞め、代行機関から、ニューヨークで研修ができる会社の紹介を受けてビザ取得の上、渡米するケースも。
6 お医者さん、弁護士さん: 海外の医療事情を知るために、自らアメリカの難関試験を受けて、マンハッタンの病院で研修医として働くお医者さんは意外と多いです。また、日本の法律事務所からの派遣で、こちらのロースクールに通い、アメリカの弁護士資格も取得して、一定期間マンハッタンの法律事務所で働く弁護士さんも。
7 現地採用のサラリーマン: 一番数が多いのは、現地採用の日本人。大学や大学院留学でこちらに来て、自然な流れでニューヨークで就職して働いているパターンです。ただ、英語の壁はありつつも、アメリカの会社で働くか、日系企業に就職するかで、待遇に大きな差が生じてしまうという厳しい現実も。(日系企業は、日本からの駐在員には手厚い待遇の一方で、こちらで薄給でも働きたい人がいることを知っているため、現地採用の待遇は一般的にとても悪いのです。) 中には、アメリカでの経験をもとに、独立する人もいます。
8 アーティスト: アートの街とも言えるほどに、文化や芸術活動も盛んなニューヨーク。こちらの美大に留学し、そのまま活動の場を求めてニューヨークでキャリアを追求するアーティストさんは、数知れません。レストランでバイトをしながら作品制作に励む駆け出しの方から、成功してご自身のデザイン事務所を持つ方々まで、様々です。
9 駐在員の奥さん: 上記1-8には当てはまらないので、あえて別枠を設けてみました。旦那さんの会社からの制約等で働きたくても働けないというケースもあるようで、日中は趣味に興じたり、奥さん仲間で集ったりしているそうです。語学学校や料理教室に通うのが一般的です。
こうして見てみると、ニューヨークに暮らしている日本人といっても、本当に色々な方がいて、皆それぞれ違ったバックグラウンドで、異なる思いや期待に胸を膨らませてこの街にやって来て暮らしているのです