「ニューヨーカーの出会い方」というシリーズで過去4回に渡って記事を書いてきましたが、とても人気の記事でしたので、今回は、ニューヨークの国際結婚カップルについて書いてみたいと思います。
過去記事は、こちらからどうぞ。
https://whitecatinny.com/category/nyで恋をする/
アメリカに住んでいる日本人は、かなりの確率で国際結婚をしていると思われる方もいるかもしれませんが、ニューヨークのように、日本人が多くはないものの一定数住んでいるような都市では、日本人は日本人と結婚しているケースがほとんどです。
そして、国際結婚の場合は、その大半が日本人女性の場合で、日本人男性が日本以外の国籍の人と結婚しているケースは、ニューヨークでは極めて少ないです。
ブルックリンのウィリアムズバーグの人気ホテル、Wythe Hotelは通用口もおしゃれ。
それは、どんな事情によるのでしょうか。
まず、一番に考えられるのは、育った環境と食べ物です。
日本で育った場合、当然ですが、日本の価値観が標準となりますが、一歩日本の外に出ると、日本で当たり前だったことがそうではない、ということはよくあります。
例えば、ニューヨークの場合、結婚してアッパーイースト(マンハッタンの高級住宅街)に住んでいる女性で、ごはんを全く作らない人は割と普通にいるそうです。
どうしてそんなことが成り立つのかと不思議に思ってしまいますが、女性も働いていて忙しい上に料理が好きでないような場合では、お手伝いさんが作ったり、デリバリーを頼んだり、といった形で、済ませているようです。日本だったら考えられないことです。
アメリカ人女性がそんな感じであれば、日本人男性はなかなか一緒にいることは難しいのではないかと思います。
これはあくまで一例ですが、女性のほうが男性よりも変化に対応しやすいので、異なる価値観に対してもより順応しやすく、日本人女性のほうが、日本人男性よりも国際結婚に向いているのかもしれません。
また、食べ物の好みの許容範囲もとても重要な問題です。
日本には、色々な国のレストランがあり、和食以外の料理を楽しむことはごく普通のことですが、アメリカでは、どんなに日本食が好きというアメリカ人でも、ダシの味の深さや薄味の和食の美味しさを分かる人はまだまだ多くありません。アメリカ人は、小さい時から、濃い味付けのものばかり食べているので、繊細な和食を究極的に理解するのはかなり難しいと思います。苦手なものが多いと言われてしまえば、そうでない方が相手に合わせることが一番早い対応策となります。その時に、日本人女性の方が、日本人男性よりも柔軟なので、そういった点からも、日本人女性のほうが国際結婚率は高いのかもしれません。
ニューヨークで先月オープンした話題の日系レストラン、Davelleのおでん。こうしたいわゆる和食のお店は、同じく味が分かって一緒に感動できる日本人と行きたいです。
私の友人でアメリカ人男性と国際結婚した子は、結婚してから、驚いた価値観の違いがあると話していたことがありました。
その男性は、両親が共働きで、家族で夕ごはんを食べるという習慣がなかったようで、私の友人が夜ごはんを、旦那さん、子供、自分の分と用意しても、旦那さんは自分の分だけ持ってリビングに行ってしまい、テレビゲームをしながらごはんを食べたり、ということがごく普通にあるそうです。
この話だけを聞くと、なんて非常識な人、と日本ではなってしまうかもしれませんが、私も何回も会ったことがあるその旦那さんは常識的な方です。
アメリカには、本当に色々な価値観の人がいるので、そういった話を聞いても、すぐに非常識という発想にはならず、きっと育った環境の違いから、そんなこともあるのね、と言った感じになります。
友人は、過去に何度か旦那さんにそのことを指摘しても直らなかったので、今は子供も小さいので諦めているそうですが、子供が小学生になった頃からは、食卓で食べてもらわないと、と強く思っているそうで、そのときには、旦那さんを説得しなければいけません。
このような感じで、国際結婚の場合、日本では当然と思っていた価値観が思わぬところで通らないこともあり、自分がどうしても譲れないことに関しては、相手ととことん話し合い、納得して、変えてもらうしかありません。相当なエネルギーが要りそうですが、自分が譲れないのであれば、話し合うしか解決方法はないのです。こういったことが、日常生活で出てくることになるので、傍から見ていたら華やかに見える国際結婚も、当事者からすると大変なことが多いようです。