NYで食べる NY散歩

ハンバーガーに人生を賭けている人が手掛けるハンバーガー店

カロリーが高いので頻繁には食べないのですが、私は昔からハンバーガーが大好きです。

ハンバーガーのお膝元とも言えるアメリカには様々なハンバーガーチェーンがあり、また、ハンバーガーはダイナー(アメリカ人が好きなメニューを豊富にそろえた夜遅くまで営業している日本でいうファミレスのような形態のレストラン)やバーの定番メニューでもあります。

NYにはハンバーガーの有名なお店がいくつもありますが、その中でも特に名が知られているのはShake Shackでしょう。
いつ行っても安定の美味しさ。そして、一人でも気軽に入れる店舗なので、ハンバーガーが食べたくなったらShake Shackへ行きます。今や日本を含む世界の主要都市で展開するグローバルなハンバーガーチェーンであるShake Shackが実はマンハッタンで治安の悪かった公園内の期間限定の仮設カートから始まったことは、以前こちらのブログで紹介しました(参照:過去記事「意外と知られていないShake Shackの誕生秘話と裏話」)。

アメリカのハンバーガーはお店によってそれぞれ個性があり、色々なハンバーガーを食べ比べてみるのは楽しいです。また、以前出張が多い職場にいて、美味しいごはんがなかなか期待できない田舎へ行っていた時、ハンバーガーは期待値を下回ることがない食べ物ということを学びました。アメリカでまずいごはんに出会うことはあっても、まずいハンバーガーに遭遇したことはありません!

つい最近、ハンバーガー好きが高じてハンバーガー博士 (hamburger scholar) と名乗るアメリカ人男性がオーナーのハンバーガーショップがマンハッタンにあることを知り、早速行ってみました。

その男性は、George Motz。シェフかつテレビのパーソナリティーで、ハンバーガーの世界では有名人のようです。
今やアボカドを入れたりなど様々なスタイルのハンバーガーを見かけますが、Georgeはアメリカ全土のハンバーガーを食べ歩き、アメリカのクラシックなハンバーガーを守ろうとの想いから、2023年にSOHOにHamburger Americaというレストランをオープンすることにしたそうです。

店名は、アメリカのハンバーガーの歴史を辿り、ご当地バーガーを紹介したGeorge自身が監督を務めて2004年に公開されたドキュメンタリー、そして、2018年に出版した本からとったそうです。

Georgeさんがこのお店を始めたきっかけは、パンデミックにあるそうです。ロックダウンの最中に、オクラホマのオニオンハンバーガーの配達をブルックリンの自宅から始めたり、ポップアップ店で売ったりしているうちに、あるレストランオーナーと手を組むことになり、ついに自身の店舗のオープンとなったそうです。

いざ行ってみてびっくりしたのは、その混み具合。
カウンター席とテーブル席があり、決して小さな店舗ではありませんが、週末とは言えランチの時間帯を過ぎても溢れんばかりの人で、人員整理のためだけのスタッフもいました。

古き良き時代のダイナーを彷彿とされる店舗。なんと椅子の黄色は、クラシックなアメリカンハンバーガーのチーズの色から来ているそうです!

 

ついに届いたお待ちかねのハンバーガー!アメリカのクラシックなハンバーガーを守るためにと、Geortgeさんは材料や調理プロセスもクラシックなハンバーガーに忠実に則っているそうです。

せっかく来たので、カロリーは度外視でフライドポテトも頼みました。なお、私が注文したハンバーガーは、このお店で一番定番メニューのThe Classic Smash BurgerのAll the Way(マスタード、みじん切りの玉ねぎ、酢漬けのピクルスのスライス、チーズが入ったもの)。"smash"とは潰すという意味ですが、ハンバーグを潰すヘラはGeorgeさんが開発してアルゼンチンでオーダーメイドで作られたというオリジナルのものを使っているそうです。細部にまでこだわりが感じられます!

ハンバーガーの大きさは、アメリカにしては小ぶり。Shake Shackと同じようなサイズでした。
気になる味は、特に目立った特徴がないシンプルなハンバーガー、という感じでしたが、これぞGeorge Motzが目指していた伝統的なアメリカのハンバーガーなのだと思います。ハンバーガーに入れる様々な具材やチーズの種類を選べたり、焼き加減を指定したりできるのが今やアメリカのハンバーガーの主流になっていると思いますが、ここのハンバーガーはそういったことは一切なく、いたって質素。
そして食べている途中でどこかで食べたことがある味だと思い始めました。それは、西海岸発祥のハンバーガーチェーンのIn-N-Out。In-N-Outは西海岸と中西部が中心のハンバーガーのファーストフードチェーンで、東海岸には店舗がないことから、西海岸へ行った際には絶対に食べに行く、というニューヨーカーは多いです。

Hamburger Americaのハンバーガー、In-N-Outのハンバーガーはどちらもいたってシンプル。それでいてここまでファンを虜にしているのは、こうしたハンバーガーこそがアメリカ人が好きなハンバーガーなのだからだと思います。私たちが普段おしゃれなレストランで見かたりイメージしたりする分厚い豪勢なハンバーガーとは真逆なのは興味深いです。

シンプルなメニュー。ハンバーガーは左上の枠囲みだけです。今年の4月から月替わりでアメリカ国内の様々な地域のハンバーガーの提供も開始したそうですので、今度はそちらの限定バーガーも試してみたいです

オリジナル商品の販売やGeorge Motzの本の販売も。なぜかちょこんと置かれた招き猫が気になりました

 

このお店がここまで繁盛しているのは、お手頃な値段設定にもあるのではないかと思いました。
ハンバーガーとフライドポテト(なお、フライドポテトは和製英語で、英語ではfrench friesです)、アイスティーに税金とチップを入れて16ドルでした。おしゃれなレストランでハンバーガーを頼んだら、それだけで$15以上すると思いますので、物価上昇が著しいマンハッタンでこの値段設定は競合他社よりはるかにお得だと思いました。

NYでアメリカの古き良きクラシックなハンバーガーを食べてみたいと思ったら、ぜひ足を運んでみてください。

☆Hamburger America
https://www.hamburgeramerica.com/
51 MacDougal street New York, NY 10012

店舗の外観写真を撮っている人もちらほらいました。相当な有名店のようです


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