NYは、エリアごとに独自の歴史があり、今でも雰囲気、お店、住人等から各エリアの特徴を感じ取ることができます。道一本違うだけで、全く別の世界が広がっている、ということもしばしば。
その中でも特にその空気を感じとることができるのは、ハーレムではないでしょうか。ハーレムというと、いまだに旅行者の間では「危険な地域」と認定されてしまっていますし、私も観光でこの街を訪れたときはそう信じこんでいました。
しかし、2001年にクリントン元大統領が事務所を開設する等、いまこのエリアは大きく変わりつつあります。
かつては多くの黒人が住み、貧困ゆえの犯罪が多発して、近づくことすらも不可能だったこの地域を、明るい場所へと変えた立役者の一人がMr.Franco。
絵描きの天才であったフランコさんは、幼少の頃からその才能を発揮。
1968年のマーティン・ルーサー・キングJrの暗殺後、ハーレムのいたるところで暴動が起き、お店の入り口は鉄のゲートで覆われ、ハーレムは暗黒の時代を迎えました。
この街を自分の力でなんとか明るくしたい、との想いから、フランコさんは1978年、ハーレムの目抜き通りである125丁目に並ぶお店のシャッターに絵を描き始めました。
彼ならではの心温まる絵で、125丁目はハーレムで一番華やかな通りへと変身したのです。
そして、お店のシャッターに描かれた彼の絵は、いまでは「シャッターアート(Shutter art)」と呼ばれ、多くの人々を魅了しています。
アポロシアターは水曜夜のアマチュアナイトが有名です。
1枚のシャッター制作にかかる期間はおよそ2週間。お店が開く前に作業をしなければならないため、5時過ぎから描き始めるそうです。
フランコさん&シャッターアート情報
・絵が見られるエリア:125 streetのFredelick Douglass Blvd.とAdam Clayon Powell Jr. Blvd.の間の1ブロック(この1ブロックの間に並ぶお店のシャッターに描かれています)。
フランコさんはこのブロック中間にあるアポロシアターの向かいに出店を出しています。(日曜9時~13時。ただし、天候不良のときは遅れる可能性あり。)
・最寄り駅:地下鉄A,C(青)or B,D(オレンジ)の125丁目駅から徒歩3分
・絵が見られる時間帯:お店のシャッターに描いてあるので、お店が空いている時間は見られません。お店は9時半ぐらいから開き始めるので、9時には到着したほうが良いです。(フランコさんに会いたい方は日曜日限定)
・フランコさんのHP:http://www.francothegreat.com/index.html
ハーレムだけでなく、世界中でフランコさんの絵は見ることができます。もちろん日本でも。
・新法律により、3年後にお店前にフェンスを取り付けなければいけないとのこと。フランコさんのシャッターアートが見られるのも、あと3年かもしれません。
モデルコース
日曜日
9時 現場へ到着
9時~9時半 お店が開く前にシャッターアートを見学&写真撮影
9時半~ フランコさんの出店へ。おみやげ購入&フランコさんと写真撮影
この時間帯のこのエリアは、フランコさん目当ての観光客が多いので、個人で地下鉄を利用して訪れて問題ないです。