ニューヨーク市はニューヨーク州の一部で、マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、スタッテンアイランドの5つの地区から成っています。ニューヨークと言った時に誰もが思い浮かべるマンハッタンは、意外と小さな島で、街歩きを楽しんでいたら、地図上でかなりの大移動をしていたなんてこともあります。
空港からマンハッタンへと向かう光景が、あまりに殺風景で驚く人も多いかもしれませんが、それほどにマンハッタンとその他の地区は、景観に大きな差があります。最近では、ブルックリンも少しずつ注目されるようになってきましたが、まだまだ栄えているのはごく一部。あらゆるものがマンハッタンに集中しているのです。
写真が暗いですが、イーストビレッジの可愛いアパート。入り口横に左右に手入れされた植木が並んでいたりと手が込んだアパートです。
永遠のヒット作、"Sex and the City"は、ドラマの中の世界ではなく、かなり細かなところまで忠実に描かれていて、ニューヨークに住んで改めてこのドラマの偉大さを実感していますが、唯一とも言えるほどに現実とかけ離れているのが、「住まい」の描写です。
物書きとして生計を立てる主人公キャリーは、とてもお洒落なアパートに住んでいて、ニューヨーカーはあんな素敵なところに住んでいるのかと思ったり、ニューヨークに渡ったらあんな暮らしができるのではないかとドラマを見て感じた方もいるかもしれません。でも、世界一とも言える家賃が高いこの街では、毎月の家賃を払うために働いている、といっても過言ではありません。
もっと言ってしまうと、マンハッタンで一人暮らしをすることはすごいこと、と考えている人はとても多いです。
キャリーのアパートですが、実際はこのような間取りになっていたようです。
現存する建物はウェストビレッジにありますが、ドラマの中では、アッパーイーストにある設定になっています。お金持ちの家族が住むいくつもの部屋がある大きなアパートと、若手のプロフェッショナルが住む小さなワンルーム(アメリカの用語で言うとstudio)が混雑し、お洒落なレストランやお店が立ち並ぶことで知られるエリア。これだけの広さのアパートをこの地区で借りるとすれば、少なくとも40万円ぐらいはかかると思います。
一人で暮らすアパートにそんな家賃が払えるのは、一体どんな人でしょうか。ドラマの中で主人公がひもじい生活をしていてはおかしいので、誰もが憧れるようなアパートで暮らしているという設定になっていましたが、マンハッタンの事情を知れば知るほどに、非現実な設定であることを実感します。
また、主人公のキャリーだけでなく、他の登場人物や、彼女たちのボーイフレンドたちも、皆素敵なアパートに住んでいましたが、あんなところに住んでいる人はなかなかいないと思って間違いないです。
日本とは大きく異なるニューヨークのアパート事情。まだまだ続きます。
<過去記事>
「住んで分かったニューヨークの恐るべき住宅事情」も合わせてご覧下さい。
https://whitecatinny.com/2016/10/17/住んで分かったニューヨークの恐るべき住宅事情/