あっという間に年の瀬ですが、ニューヨークにいると、日本の年末年始のような厳かさはなく、特に今日は朝から粉雪が舞っていたので、いつもより静かめの休日といった感じです。
ニューヨークへ渡って早くも9年目の冬を迎えています。私にとってニューヨークでの1年1年はそれぞれ違った彩りの濃いもので、どの年も忘れがたいのですが、ここまでの8年4ヶ月を走馬灯のように振り返ると、とても面白い一貫した法則が見えてきます。
それは、ニューヨークでのその時の自分の人生のステージ、自分が考えていたり探し求めていたりすることが変わるにつれて、出会う人や普段プライベートで付き合う人たちが大きく変わっているのです。
遅ればせながら、ロックフェラーセンターのクリスマスツリー。やっと見に行って来ました。アメリカにはお正月文化がないので、どこに行っても、クリスマスツリーは、年明けまで飾られています。
語学学校に通ってニューヨークでの生活に必死についていきながら仕事探しをしていた1年目。同年代の日本人女性でキャリアアップのために私費留学をしている方々や、世界の様々な国からの留学生たちとの出会いがありました。
仕事が決まり、気持ちに少し余裕が出て、日本人として日本文化をさらに学ぶことに興味が出てきた2、3年目の頃には、同じような志を持った日本人の方々と知り合いました。ニューヨーク生活も長く、異国の地で日本人と凛として生きている彼らの姿は大きな刺激になりました。
その後、新しい会社で出張が多かったりと拘束時間が長くなったこと等に伴って、新しい友人を作るというよりは、それまでの友人たちとの交流を楽しんできたのですが、ニューヨーク生活が6年ぐらい経った頃、ふと気がつくと、いつも一緒に外出していた仲の良い友人たちは、ほとんどと言って過言でないほどにニューヨークからいなくなってしまっていました。学校を卒業して母国に帰ったり、日本で働くことを選んで日本へ帰国したり、別の州へ引っ越したり。
ニューヨークは、多くの人を惹きつける不思議な魅力がある反面、勢いの強い街なので、ずっと住む場所として考える人ばかりでなく、勉強や仕事での人生の目標を達成するための通過点としての都市として捉えている人たちもとても多く、数年でニューヨークを離れてしまうのです。そのため、私の場合も、渡米から6年も経った頃には、ニューヨーク生活初期の頃の友達が皆遠くへと行ってしまったのです。
そのため、2年前は、ニューヨークでの友人関係の再構築をする時期となりました。そんなことを意識したわけでもなく偶然参加したイベントで、気の合う日本人女性たちと知り合う機会に恵まれ、ニューヨークで生きていくことを決めて生き生きと暮らしている彼女たちは、私にとってかけがえのない友人になりました。
そして今年に入ってからは、その時の友人を通じて、キャリアウーマンでいながらしなやかな生き方をしている日本人女性たちと出会ったり、今年に入って出会ったとは思えないほどに気が合う同じ趣味を持つ友人と巡り合ったり、数年前から知人関係だった子との仲が急に深まって2人でお茶をする関係に発展したり、地球の裏側の全然違うところで生まれ育った人と意気投合したり、といったことがありました。不思議なことに、私のニューヨークでの根が深まれば深まるほどに、私よりもニューヨーク生活の先輩で、これからもニューヨークで暮らしていくことを決めた人たちに囲まれるようになったのです。もちろん、ニューヨークを離れた昔からの友人たちとの交流も続いていますが、やはり、異国の地では、身近にいてすぐに会える友人たちがいることはとても心強いので、ここ数年の間に知り合った友人たちが皆ニューヨークをずっと生活の基盤に考えて暮らしているのは嬉しいです。
ツリーの写真を撮っていたら歓声がしたので見に行ってみると、アイススケートリンクでのプロポーズ。女性が"YES"と言った瞬間に、その場に居合わせた観光客から湧き上がった祝福の声だったのです。写真の右奥は、クリスマスのウィンドウディスプレイで有名なSaks fifth acenueという高級デパート。
さらには、大げさではなく、価値観のシフトが起こるような出会いもいくつかありました。その一人が、以前このブログでもご紹介させていただいたMelissaです。
今年に入って彼女のことを知ってから2度セッションを受け、折に触れて彼女のメッセージを反芻しているのですが、普通であれば障害であると思うようなことに対しても新しい見方を提示してくれたり、「こうした方が得」とか「こうするべき」といったことに全くとらわれずに、今の状況はこういうふうに考えると良い、といったことを愛情たっぷりに話してくれるので、良い時もそうでない時も、彼女の言葉は私の中で響き続けています。今年は、Melissa(過去記事「人生の水先案内人」はこちらからどうぞ)、ブログを通じて知り合ったパリで生きる女性、ドラマのようなシチュエーションで忽然と私の前に現れた友人との交流を通じて、私がこれから生きていきたいと思う方向性がより明確になった年でした。そんなことが起こったのも偶然ではなく、私のニューヨークでの生活が安定し始め、私自身がさらに次のステージへと向かう準備が整いつつあるからなのだと思います。
明日はそのへんの話を少し掘り下げ、来年に向けて目標を設定して、このブログの1年を締めくくりたいと思います。
皆様、良い年末年始をお過ごしください!