日本に比べたらはるかに日本のニュースが手に入ることが少ない海外で暮らしていながら、私がよく考えているのは、日本の未来について。
以前もここで書いたことがありますが、日本でのアメリカへ対する注目度の高さと反比例するかのように日本への関心が薄いここアメリカ。そして、世界中から高いレベルの教育を求めて集まってくる優秀な留学生たちとの会話からつい比較してしまう日本の現状、彼らから見た現代の日本像、NYで活躍する日本人たちが考えるいまの日本。
こうした様々な要素が絡み合って、ここNYに住む日本人たちの間でよく話題になるのが、海外に来てやっと気づく日本の地位低下。(関連する過去記事はこちらからどうぞ)
私は普段全く悲観主義者ではないと思うのですが、日本の国力低下は、日本にいたときにおぼろげながらに考えていた以上に、ひどいレベルで進行していると思わざるを得ません。
いま日本に必要なのは、日本のために身を粉にして尽くし、日本を正しい方向へ舵取りするリーダー、であることは間違いないでしょう。
そんな事態を前にして14日に行われる民主党代表選。
私たちが求める真のリーダーは、菅さん、小沢さんのどちらでしょうか・
それとも、どちらでもないのでしょうか。
NYには、日本とアメリカの文化交流促進のために設立されたJapan SocietyというNPOがあり、年間を通じて政治、経済、文化と幅広いジャンルを通じたイベントを行っています。
そこで先日開催されたのが、「直近の日本を語る:どうなる政治、経済、日米関係」と題する講演会。
国際ジャーナリストで、日本のテレビでもおなじみの内田忠男氏とジョンズ・ホプキンス大学で東アジア研究を行うケント・カルダー氏の討論形式で行われた同イベント。
菅代表をイラ菅、ズレ菅、ブレ菅、アキ菅と辛らつに批判していた内田氏のコメント、
鳩山首相辞任の原因ともなったいまだ未解決の普天間問題について、当初予定していた8月末までの具体案提示は無理であることはアメリカ側も承知で、11月の沖縄知事選が終わるまでは大きな問題にはならないだろう、と寛大な姿勢をしめしていたカルダー氏、
そして11月に横浜で開催されるAPECで議長国となる日本が、いかに会議をリードしていくか、ということは、足元の民主党代表選よりも重要だが、そうしたことに考えをめぐらせている政治家は果たしているのだろうか、と懸念する両パネリストの発言が印象に残った一夜でした。
14日、国のかじ取り役として選ばれる代表には、こうした海外からの声も届くことを願わずにはいられません。
http://www.nyseikatsu.com/?cat=5 (8月14日号 6面)