NYで異文化体験

我が家の入り口についているある筒の正体

日本にいた頃、特別なことをしていたわけではないけれど、四季折々の文化を大切にする日本の暮らしが身体に馴染んでいたので、NYに来てからしばらくは、そうした季節感がないアメリカ文化を残念に思っていました。

 

しかし、最近になって、NYにはNYなりの季節を感じる機会があることを感じています。

例えば9月は中国人にとっての大きなイベント、moon festivalがあり(日本の十五夜ですが、中国人は親戚一同集まって盛大にお祝いをします。)、今月半ばはユダヤ教徒にとっての一大イベントでNYの公立学校はお休み。そして、この週末はヒンドゥー教徒にとって一年で一番大きな催しがあるようです。

 

どこで暮らしていても、母国の文化や習慣が残っているのは皆同じ。

特に色々な人種や民族が暮らすニューヨークでは、世界中の行事が体感できるといっても過言ではありません。

 

ただ、面白いのは、そうした情報は意識していないと全く入ってきません。

しかし、街を歩きながらよく見てみると、街中のお店に今日はxxの祝日のためお休みです、という張り紙が貼ってあったり、イベント用の特別な食べ物がスーパーに並んでいたり、と暦を感じる場面はところどころにあったりもするのです。

 

意識していないと全く気づかないけれど、意識してみると割りと目にするもの。

その一つが、私の家の入り口のドアの外枠に斜めに取り付けられたプラスチックの筒。

 

私の家の大家さんはユダヤ人で、ユダヤ教徒の家にはこの筒が必ず取り付けられているそうです。

大家さんも以前から取り付けていて、私に部屋を貸してくれることになったとき、これはそのままでいいかな、と頼まれました。

 

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ドアの割と高いところについています。

mezuzahと呼ばれるこのプラスチックの筒の中には、ヘブライ語で書かれた巻物が入っているそうです。ユダヤ教徒の人たちは、家を出るときと帰って来た時に、この筒に軽く触れて挨拶をするようです。

感覚でいうと、日本のお守りような存在かもしれません。

 

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近くで見るとこんな感じ。長さ10-15センチぐらいです。

この筒、その当時は初めて見たのでただただ驚いていたのですが、よく見ると私の住んでいるマンションの同じフロアーに何室もこの筒をつけている家がありました。人は自分が興味あるものしか視界に入らないことはよくありますが、こんな身近にたくさんのmezuzahがあったことには驚きました。


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