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新時代到来の予感!日本とNYの新しいリーダー

海外に住んでいると日本のニュースから遠のいてしまいがちで、岸田首相の姿も首相に就任されるまで見たことがないという状態でしたが、せっかく日本国民として持っている1票はきちんと行使したいと思って、NYへ渡ってからの12年間、ほぼ全ての在外選挙に足を運んでいます。

在外選挙の資格を得るためには、現地の日本領事館を通じて自分の地元のお役所に在外選挙人登録を行い、在外選挙人証というカードを入手しなければいけません。その手続きさえ終わってしまえば、在外人選挙の期間にそのカードと身分証明書を持って日本領事館へ出向けば選挙に参加することができます。

従来から言われていることですが、在外選挙は、投票用紙を日本の地元の選挙管理委員会に郵送しなければいけない日数などもあるためか、選挙公示からほとんど日を空けずに投票期間が設定されるため、候補者のことを学ぶ時間があまりとれないことが問題となっています。
外から日本を見ると国力の低下を感じざるを得ないことばかりで、海外に住む日本人は心配しているからでしょうか。
今回私が投票に出向いた際にも、コロナ前と変わらず投票所は多くの人で溢れていました。

こちらがミッドタウン、マンハッタンのど真ん中に位置する日本領事館。このビル内の1フロアーを占めています。写真左によく見ると、小さく日本の国旗の看板が。日本よりはるかに小さな国が、小さなタウンハウス一棟を全て大使館として、入り口に"Permanent mission in the USA"といったプレートを掲げているとは大違いで、このささやかな看板にも日本人の気質が現れているような気がします。(マンハッタンで唯一の領事館がこちら。在留届を出すためには、こちらへ自ら足を運ぶ必要があります。眞子さんもまもなく現れるのでしょうか?!)

ユーチューブで家族総出での選挙戦の様子や、結婚後旦那さんの地元の広島での地盤固めのために東京へ拠点を移した旦那さんと長きに渡って別居婚を続けながら旦那さんの政治活動を支え続けた奥さんの様子、岸田首相の演説を見て、しがらみにとらわれない「あるべき」政治をしてくれるリーダーがやっと現れてきてくれたことに大きな期待を寄せています。

岸田首相は、何年も前にニューヨークにいらした際に、大使公邸で開かれた広島県人会のイベントにも参加されたようです。
首相になられてすぐの頃、知人がFBでツーショット写真を投稿していましたが、そのような姿からも、気さくなお人柄が浮かんできました。

同じくニューヨークでも、現職デ・ブラシオ氏の今年末での任期満了に伴い、今月頭の選挙で来年から指揮をとる新しい市長が選出されました。NY市の市長は4年の任期で2期まで務めることができますが、ブルームバーグ社を創設した大富豪、マイケル・ブルームバーグ氏は自身の任期中にルールを変えて3期、12年にわたって2013年まで市長を務めました。
2014年から市長となったデ・ブラシオ氏は今年末で2期を満了することになり、後任争いが行われてきました。

NY市庁舎の前で劣悪な労働環境改善を訴えるイエローキャブの運転手たち。

 

新しくNY市長に選ばれたのは、NY市の歴史上、史上2人目の黒人市長となるエリック・アダムス氏。
いつも笑顔で穏やかな表情ですが、20年にわたってNYPD(NY市警)で勤めた後に政治の世界へ入ったという異色の経歴の持ち主です。

(c) wikipedia

ニューヨーク市民の最大とも言える関心ごと、NY市の治安の強化にも元警察官の立場から取り組んでくれるのではないか、と市民は大いに期待しています。マンハッタンはもともとホームレスが多い街の上、アメリカではホームレスも自己主張をする文化で、「退役軍人で困っています」、「地元に帰るバスに乗るために$80恵んでください」などと書いた段ボールを掲げて道行く人に訴えかけています。
パンデミックの間は、感染拡大防止のためにホームレスはホテルに避難させられていましたが、最近では再び地下鉄や道端に戻ってきています。
パンデミックで精神的なストレスを抱えた人が増えたためか、マンハッタンの治安は一時期はかなり悪い状態となっていました。

正義感溢れるエリック氏が、どのようにNYPDを統率して、市民のことを第一に考えた陣頭指揮を取ってくれるのか楽しみです。

ユーチューブでもあまり経歴について語っていないエリック氏ですが、Wikipediaによると、幼少の頃は極貧で、ネズミが住みついたアパートに大家族で暮らし、いつ大家さんから追い出されるか分からないという恐怖から、時にはカバンに洋服をいっぱい詰め込んで小学校に登校していたそうです。そして14歳でギャング集団の仲間入り。
未婚ですが、かつてのガールフレンドとの間に息子がいるなど、いろいろな意味で異色、そして独自路線の人生を歩んできたようです。

独自路線を歩んでいる人が多いのはNYの特徴でもあります。このお姉さん、なぜか髪の下半分が紫色。ハロウィンの数日後だったのですが、いまだにハロウィンモードで出社?

NY市庁舎近く。奥は、知らぬ間にできた高層ビルですが、先端へいくほど少し横広になった不思議な建物。

 

ニューヨーク市は民主党支持派が多い場所のため、エリック氏が今回の市長選挙で民主党候補の代表に選ばれた何ヶ月も前の段階で既に、共和党候補を負かすことは誰もが予想していました。現職市長、デ・ブラシオ氏は、子供達の送り迎えのようなプライベートな用事にNY市警の車を利用するなど、公私混同が問題視されたりと、最後まで支持は伸びませんでしたし、正直目立った政策もあまりなかったように思います。

日本、そしてニューヨークの新しいリーダー。
正義感溢れるトップが、日本、そしてニューヨークをどのように舵取りしていってくれるのか、静かに応援したいと思います。
国民や市民のための仕事をしてこその政治家。私たちの暮らしがより安全で平和なものとなりますように。


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