NYから日本を考える NYで異文化体験

欧米式、今を生きるという発想

ニューヨークに移住して、日本人以外の国の人たちとよく接するようになって、欧米の人たちは日本人より人生を楽しんでいるのではないか、と思うことが多いです。

貯蓄率が諸外国よりもはるかに高いことが物語っているように、日本人は何十年も先の老後の生活を心配して、若いうちからせっせと貯金をしています。日本人は計画を立ててそれをきちんと守ることが得意なので、あらかじめ決めた額を毎月こつこつと貯金している人も多いと思います。また、貯金に限らず、どうなるか分からない先のことが気になって、なかなか行動に移せない、ということも日本では多いです。

もちろん、老後の心配をしないからと言って無鉄砲に豪遊したり無駄に浪費したりすることは論外ですが、金銭面に限らず、人生一般について、欧米人は、日本人より楽観的で、今を楽しく生きるということに集中しているので、日本人のようにどうなるか分からない将来のことを深く考えて若いうちから心配したりすることはあまりないようです。

日々の何気ない生活の中にも必ず楽しいことやちょっとした面白いことはあり、欧米人は、そういった小さな楽しみを大切にしています。

傍から見て、どう考えても先行き不透明な大変な状況で、日本人だったらずっとどんよりとなっていても普通のような時でも、そんな姿を見せずに、今、という瞬間を大切にして、その時間を自然に楽しむという欧米式発想が、私は気に入っています。

極端な話、明日であれ、1週間先であれ、何が起こるか分からないので、先のことをあれこれ考えてやきもきするよりは、今生きている瞬間を楽しんでいる方が、より豊かな生き方なのではないかと思います。

また、どうなるか分からない先行きであれば、心配するよりも、自分がどういった方向に進みたいかを考えて、そういった方向に行けるような行動を今から起こしていくことが大切です。

日本にいた頃は、1ヶ月先まで週末の予定が詰まっていましたが、ニューヨークではみんな少し先のことまでしか考えていないので、週末の予定はその週に入ってからようやく埋まっていき、突然当日に友達に呼ばれて遊びに行ったりということもあります。

特に変化の激しいニューヨークでは、1年先に自分がどこで何をしているのかすら分からない状況なので、私も、欧米人に倣って、今を大切にし、それがより楽しい未来に繋がっていったらと思い、日々暮らしています。


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