前回、外国人が日本をどのように見ているか、という新聞記事の特集を紹介しました。(前回記事「日本ってクール?」はこちらからどうぞ) 今回はその続きです。
NYで「日本」と聞いて何を思い浮かべるか?と街角インタビューをしたら、ほとんどの人が「SUSHI」と答えるでしょう。
こちらでのお寿司は日本とは大違い日本のようなお寿司屋さんのような敷居の高いお店は珍しく、いたってふつうの居酒屋のような場所でもSUSHIは出てくるし、SUSHIがよく売れると知っている中国人や韓国人が出しているお店もいたるところにあるし、アメリカのデリでもサンドイッチの横でSUSHIが売られているといった状況です。
そのため、こちらで出会った友人たちに、日本ではお寿司は毎日食べるようなものではなくて高価な食べ物であること、安いお寿司ですら回転寿司屋さんのようにお寿司をメインとしたお店で食べることが普通であることを話すとみんな一様にびっくりします。
なぜなら、NYではお寿司はいたるところで手に入り、日本食=SUSHIと思っている外国人も少なくありません。
しかし、日本人から見て「お寿司」と言えるものに出会うには、やはり日本人経営のお店に行かなければならないです。そうでないと、ロールから具がはみ出ていたり、お醤油の代わりに不思議なスパイシーなソースがかけられていたり、といった事態に遭遇するからです。
そんな誤解も多い「日本」ですが、前回紹介した週間NY生活で日本のことを語るさまざまな国々からの人たちのコメントは、どれも日本を的確に捉えていて興味深いと思います。実は私の友人たちにも登場してもらいました。
しかし、ちょっとした手違いから残念ながら新聞には載らなかったのですが、こんな視点があったのかと驚くようなコメントをくれた友人がいました。記事にならなかったのがとても残念なので、ここで紹介したいと思います。
ギリシア人の友人は今まで日本へ行くチャンスがなかったものの、ドラマや映画を通じてかなりの日本通。私のカラオケ仲間でもあり、数ヶ月に一回は一緒にカラオケに行っています。
ジブリ映画が大好きなその友人が書いてくれたコメントをぜひどうぞ。
私を含めた世界中の多くの人々を惹きつけている日本の魅力は、一言では語り尽くすことができません。文化的背景や精神、そして長い歴史に裏付けられた人々の気質もそうですが、もっと簡単に、そして分かりやすく言うと、映画「となりのトトロ」で、森の中でメイが初めてトトロに出会った場面に、日本人の特徴がよく表現されていると思います。西洋の物語では、あんな得体の知れない大きな生き物に突然出会ったら、少女はパニックに陥って逃げ回り、不思議な生き物に追いかけられるという結末でしょう。しかし、メイは違いました。幼い少女は目と耳を大きく開き、満面の笑みで、不思議な生き物トトロとの出会いを楽しんでいました。日本は、周りのものを受け入れ、そして周囲の環境との調和がとれた国だと思います。メイがあの時示した、異なるものを独自の視点から積極的に受け入れる行動こそが、日本をよく表現しています。私たち は、そんな日本をいつも望んでいます。
「となりのトトロ」を日本人とは違った視点から見て楽しんでいる人がいるというのは面白いですし、政治経済が混沌として明るいニュースが少ない日本ですが、日本人が当然のこととして忘れてしまっている心、日本しか持ち得ない良さを海外の友人が気づかせてくれます
週間NY生活の過去記事はhttp://www.nyseikatsu.com/ の右側にある過去の「紙面そのまんま」から読むことができますので、「日本ってクール?」の記事に興味ある方はNo.331号をぜひ開いてみてください。