先日の記事(こちら)の続きです。
アメリカのビザは本当に厄介で、入念な対策が必要です。
ビザで困ったことがない人はいないのではないかというぐらいに、現地で暮らす日本人の頭を悩ませているのが、このビザ問題。
9年半もNYで暮らしていると、自分自身を含め、多くのビザのケースを見てきました。
以前、NYの有名な日系人材紹介会社の社長さんが、NYで暮らす様々な日本人の生き様を撮ったドラマを作ってみたいと話していましたが、タイトルは、「H1B」と話していたのを今でも覚えています。(H1Bとは、アメリカで働く移民が持つ通常の就労ビザです。会社員は、駐在員を除いて基本的にH1Bを保有しています。)
人材紹介会社の社長さんまでもがそんなことを話しているぐらい、1つ1つのビザには、一人一人の生き様が凝縮しているのです。
ビザの事情は、アメリカとの外国事情によっても大きく左右されるので、近年は、中国や韓国の学生たちが以前と比べて明らかにビザが取りづらくなっているようです。
幸い日本は、アメリカとの関係も悪くないので、日本の人たちのビザには、こうした国際事情による影響はないようで、ホッとします。
このように、自分の力ではどうしようもない不可抗力もビザにはつきまといますが、自分でできる対策も色々ありますので、今日は私が取り組んでいたことをご紹介したいと思います。
・弁護士の言うことは鵜呑みにしない!
弁護士でもない私がプロの方に対してこんなことを言うのは失礼な話ですが、私にとっては唯一のビザでも、先方からしたら、大量にあるビザ書類の中の一つにしか過ぎません。
それだけ、同じ書類でも重要度が違うのです。
私は、一番最初のH1Bビザの申請のために弁護士の方が書いてくれた書類の質があまりに悪かったことに愕然としました。ビザの申請で一番重要なのは、本人の学歴や経歴がいかにビザの申請をしようとしている仕事と結びついているか、また、その仕事をするために十分な経験が’あるか、です。人生の一貫したストーリーが必要なのです(ここで、自分には一貫したストーリーがないと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、そこをどうやって一貫したストーリーにするかが弁護士の腕の見せ所でもあるのです。)。
私の場合、幸い、全然ぶれた人生ストーリーではなかったのですが、弁護士の方が書かれた文章は支離滅裂としていて、全然ストーリーになっていませんでした。
就労ビザが取れなかったらアメリカに残ることができないので、この書類をそのまま移民局には提出できないと思って、弁護士の方に恐る恐る少し手直ししたいところがある、と伝えて見ました。もし、プロとして誇りを持って仕事をしていたら、素人にそんなことを言われて怒ってもおかしくないと思うので、ドキドキしながらメールをしたのですが、あっさり、好きなように直してください、と言われて愕然としました。仕事へのプライドは全くなかったのでしょうか、と思ったのですが、自分が納得いく書類を出すことにしようと思って、大幅な修正をお行いました。
また、それ以外にも、書類の内容は何度か確認しました。
誤字脱字がないかやページ番号が連番になっているかといった、出版社のようなチェックを行って、疑問点はその都度問い合わせを行いました。
人間による手作業なので、書類が1枚抜けていたり、といったことはあり得るのです。
それでビザの手続きが何ヶ月も遅延という事態にもなりかねません。
・ビザ情報は積極的に入手!
ビザの動向を知っておくことは重要です。
それは、移民局がどんなことに目を向け始めているかが分かるからです。
ニューヨークで流通している無料の新聞(週間NY生活やじゃぴおん)には弁護士によるビザ相談が載っていたりしますので、そういった記事は、自分のビザに関係なくても、よく読んでいました。
その他、ニューヨークにある日本語を話す弁護士がいる法律事務所の日本語ニュースレターを登録してメールでもらう、というのも情報を入手する良い手段です。
・海外出国の際は要注意
合法的なビザを持っていても、アメリカ国外へ出国して、戻ってくるときの空港での移民局担当官とのやりとりには注意が必要です。
相手に不信感を持たれてしまったら、別室送りになって尋問されてしまいますし、最悪入国させてもらえません。
私は知人から、アメリカにちゃんと住んでいることを示す書類を持っていた方が良いと随分前に言われ、グリーンカードが取れるまでは、アメリカ国外へ行く際には、いつも直近の携帯電話の請求書と家の賃貸借契約書のコピーは持参していました。
結局一度も見せたことはありませんが、用心に用心を重ねていました。
このブログで何度も書いていますが、ビザ対策を真面目にしていれば、何かあっても最後の最後で大丈夫ですので、アメリカで暮らしたいという熱意溢れる方たちのところに、ビザの女神様が微笑みますように。