10月1日は新年度版ミシュランガイドの発表日。
フランス時間にならっての発表なのか、NYでは9月30日にその発表のニュースが流れました。
世界各国のさまざまな国の料理が楽しめるNYでは、今年も多くのお店が星を獲得しました。
私は普段和食ばかり食べているので、今回は和食のお店を見ていきたいと思います。
以前、こちらのブログでもご紹介した(過去記事はこちらからどうぞ)Japan Culture New Yorkでは、和食の分野限定で、星獲得店を紹介しています。記事は、こちらからどうぞ。
毎年ミシュランガイドを見ていて思うのは、審査員は当然ミシュラン社の社員で、日本人は審査に加わっていないので、残念ながら、和食の分野に関しては、NYのミシュランガイドは、あまり頼りにならないです。和食はきちんとしたお店になればなるほど多くの手順を踏んで、丁寧に作られていると思いますが、そういった細やかさや芸術性、たとえばおすしのネタやシャリの微妙な感覚やだしの良し悪しといったものは、やはりどんなに舌が肥えた人でも、日本人でなければ分からない、繊細なものだと思います。
そのため、NYのミシュランガイドでは、星を獲得すべきお店が星をもらっていなかったり、予想外のお店が星をとっていたり、といった番狂わせが毎年起こっています。
そこで、私なりに星をつけてみました。
☆☆☆ 牛若丸(寿司)-先日こちらでもご紹介した世界一の寿司職人といっても過言ではないひでさんが握るお寿司(過去記事は、「世界一の寿司職人 人生を語る!」と「世界一の寿司職人が生まれるまで」からどうぞ)の右に出るお店はないと思います。NY在住日本人の間で知らない人はいないほどの有名店。そして、国内外から駆けつけるお客さんも。お店の宣伝を極力していないため、ミシュランの星も全く獲得していませんが、名実ともに間違いなく三ツ星のお店です。
☆☆ 鳥心(焼き鳥)- 日本の有名焼き鳥店鳥良で経験を積んだ大将池田さんが経営するマンハッタン唯一の本格派焼き鳥やさん。ペンシルベニア州から仕入れた新鮮な鳥さばきは天下一品で、日本国内の焼き鳥屋さんで食べられない部位までを出してくれます。(そうした部位は、技術がないとさばけないそうです。)焼き串の重さで焼き加減が分かってしまうという大将の腕は、ここでしか味わえません。
☆ 嘉日(精進料理)-京都の老舗お麩やさん麩嘉が経営する精進料理のお店。季節に合わせて毎月メニューが変わり、食材の特徴を最大限に生かした繊細な味とその細やかなセンスにはいつも驚かされます。前料理長上嶋シェフのときはずっとミシュラン一つ星を獲得していました。上嶋さんであれば、二つ星もとれたと思いますが、上嶋さんは帰国されてしまったため、個人的にはいまは一つ星です。(嘉日については、以前、日本の和菓子をNYで!で紹介しました。)
NYにはおいしい和食やさんがなくて不便とよく思っていますが、こうして見てみると、日本でも食べられないハイレベル、そして完全に「和」の伝統にならったお店がNYにあるのは面白いと思います。そして、それは、何に関しても、良いものと悪いものが混在していて、良いものに関しては、飛び抜けて良い、というNYの街を象徴しているようにも感じました。