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私がNYへ渡るまで6

この記事は、私がNYへ渡るまでの想いや転機となった出来事について書いています。
連載記事ですので、過去5話がまだの方は、こちらからどうぞ。
ご挨拶&私がNYへ渡るまで
私がNYへ渡るまで2
私がNYへ渡るまで3
私がNYへ渡るまで4
私がNYへ渡るまで5

今から思えば、私が渡米した時期は、私にとって絶好のタイミングでした。
H1Bというアメリカで就労する際の一番一般的な就労ビザは、ここ数年は、応募数の増加により、抽選で3分の1の人にしか与えられません。そのため、大学や大学院を卒業した人が1年間合法的にアメリカで働ける権利であるOPTのない人にとって、アメリカで働くことはほぼ不可能という状況になっています。

私の渡米後数年で、ビザをめぐる状況は、180度変わってしまったのです。
私が渡米した2009年は、まだリーマンショックの尾を引いて、就労ビザの枠は余っているけれども、ビザのサポートをしてくれる会社がほとんどない、という状況でした。
この状況の中、就労ビザを獲得することもかなりの困難が伴いましたが、現在のように抽選で落とされてしまうというような、自分の力でどうにもならないという状況ではなかったので、それだけは幸いでした。

アメリカの語学学校での手続きがきちんと終われば、あとはもう渡米するのみ、と思っていたので、アメリカ大使館でのビザ面接は、私にとって、ただの通過儀礼のようなものでした。
必要書類はきちんと集めていったものの、ビザ面接の準備は全く行っていませんでした。
それが災いし、たまたま当たった厳しい面接官に渡米の理由がアメリカに永住することではないかと疑われ(もともとそのつもりでしたが、面接の時にそうした素振りを見せては絶対にいけません!!!)、面接に落とされてしまいました。

後から知ったことですが、アメリカの基本姿勢は、アメリカの発展に貢献してくれるような人(研究者、スポーツ選手等)、アメリカにお金を落としてくれる人やアメリカ人に仕事をもたらしてくれる人(多額のお金を持っている投資家)にアメリカに来てほしい、というもので、この考えは、どの人が大統領になっても大きくぶれることがありません。
その一方で、こうしたスペックがないのにアメリカに居残ろうとする人たちは、アメリカ人の仕事を奪ったりすると敬遠され、アメリカが気をつけているのは、アメリカ人との結婚により、グリーンカード、さらには市民権を獲得して、合法的にアメリカに居座る人たちなのです。

どのような人がそのようになりやすいかとアメリカが考えているかいうと、
・結婚適齢期の人(20代後半から30代前半)
・英語での基本的なコミュニケーションができる人(アメリカ人と結婚するためには、ある程度の意思疎通が必要です。)
・独身女性(アメリカ人女性はアメリカ人男性と結婚するケースが多いので、国際結婚は、アメリカ人男性と異国の女性のケースが一般的です。)

私は純粋にアメリカできちんと英語を勉強し、アメリカで働くことしか考えていなかったのですが、後から思うと、アメリカ大使館がマークする条件を全て満たしてしまっていました。
全然足りていなかったのものの、一応相手の言うことを理解し、正しい文法できちんと面接官に返答しようとしていたので、「英語でのコミュニケーションに問題がないし、日本できちんとした仕事があるのに、なんでその仕事を辞めてまで渡米する必要があるのか。」と面接官にしきりに聞かれました。もっと英語をブラッシュアップしたいということを伝えましたが、面接官とは押し問答になり、埒があきませんでした。
まさかこんなところで引っかかるとは思っていなかったので、退職届も提出した後のことでした。

(続く)


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