NYで異文化体験

アメリカらしい心温まるホームパーティー

先週末、友人のおかげで素敵なホームパーティーに行く機会に恵まれました。

アメリカ人はパーティーが好きで、アメリカには様々な種類のパーティーがあります。その中でも一番カジュアルなパーティーがホームパーティーです。気の置けない友人たち数人を招くような小さなパーティーもあれば、広い家に住んでいる人は20-30人ぐらいを招いたホームパーティーを開くことも。

先日誘ってもらったのは、house warming party。引っ越しして家がある程度片付いた頃に開かれるこのパーティーは、新しい家を温かく居心地のよい空間にしようというならわしで、友人たちと新居への引っ越しをお祝いするものです。

今回のパーティーの主催者は20年もの日本での生活を終えて故郷へ戻ってきたアメリカ人Hさん。ゲストたちをもてなしたいというHさんの心遣いが随所に感じられたと同時に、いろいろな意味でアメリカらしいパーティーでした。今回の記事では、どのようなところがアメリカらしいと思ったのかを中心に書いてみたいと思います。

直接の知り合いでない人もウェルカム
ホームパーティーに主催者が直接知らない人が来るというのは、日本ではまず考えられないことだと思いますが、アメリカではよくあることです。今回のパーティーも、私が主催者のHさんと会ったのはパーティー当日。Hさんと親しい友人Jさんが声をかけてくれたのです。今回のパーティーには、社交的なJさんの友人も多く、Hさんと会うのは初めてというのは私だけではなかったようです。

ホストが張り切って行うルームツアー
そんなわけでHさんのことを全く知らない状態でHさんの家にたどり着いた私。着物仲間であるJさん(アメリカで育った韓国人)の提案で当日はHさんの家に早めに行って一緒に浴衣を着ることになったので、誰よりも早くHさんの家に着きました。

Jさんが少し遅れたため、なんと私が一番乗り。初対面の人の家に先にあがるのは少し気が引けましたが、自己紹介をしているうちに友人のJさんがやって来ました。

何度もHさんの家を訪問したことがあるJさんと違って今回が初めての私にHさんは、浴衣に着替え終わったらルームツアーをするね!と提案してくれました。

広いリビングに加えて2つの部屋、さらにバストイレも2つもあるというゆったりした空間に住んでいるHさんの家は、壁中に絵や写真が掛けられたアートな空間。ルームツアーでは、ひとつひとつの部屋について、壁のアート作品を中心に解説してくれました。日本人アーティストの絵、世界でも名が知られた日本人写真家による写真、写真が趣味というHさん自身が撮影したという写真もあって、話が弾みました。

玄関入ってすぐの空間に置かれたたんすは、なんと日本のアンティークショップで買ったものを船便で持ってきたそう。商人の帳簿入れだったというこのたんすは引き出しの大きさが整っていて、収納に良さそうでした。右の白黒写真は、ホストのHさんが撮った力作

日本で自宅に友人たちを招待するときには、リビングとトイレ、洗面所しか開放せず、それ以外の場所はあえてドアを固く閉ざすと思いますが、アメリカ人は、ベッドルームから仕事部屋まで部屋の中すべてを詳細に見せてくれます。そんな文化があることから、アメリカでは自宅に飾るアート作品を買う人も多く、アート市場は活発です。自宅に招いたときにそうしたアートについて語るホストたちの中には、定期的にアート作品を買い替えて模様替えをしている人も少なくありません。

ごはんはホストが準備
ホームパーティーでは、ポットラックと呼ばれる参加者が1品ずつごはんを持ち寄る形式もありますが、特に指定がない限りは、ホストがごはんを準備します。ゲストは事前にホストに何か持っていったほうがよいものがあるかを聞いて、それを持参する形が一般的です。よくあるのは、ゲストがデザートや飲み物を持っていくパターン。

夏の終わりに我が家で開いたホームパーティーの様子。我が家はとっても狭くていすもそんなに多くないので、呼べるのは3,4人ぐらい

先日のホームパーティーで私が作った桃の冷製パスタ。友人たちが来てくれると、料理にも精が出ます

日本の一時帰国でのお土産やフルーツを持ってきてくれた友人たち

今回のパーティーは、ホストがヴィーガンだったことから、ごはんは全部用意します、と事前に連絡がありました。手ぶらでも良いけれど、何か持参したいという人は、飲み物をお願いします、と言われたので、私はおーいお茶とリンゴジュースを持って行きました。

ホストが近所のヴィーガンレストランからたくさんのイタリアンを注文していてくれましたが、一見するとヴィーガンと思えないようなごはんの数々でした。驚いたのはそれだけでなく、ホストのHさんが外部の業者を通じてお手伝いさんの女性を1人雇ってくれていたこと。ここまで用意周到なパーティーは見たことがありません。ヘルパーさんが、ごはんやお皿を並べたりといった事前準備やパーティーの間はゲストたちに飲み物を注いだりと、様々なサポートをしてくれました。とても陽気な方でちょっとおしゃべりしたところ、平日は大手企業役員の秘書として働き、休日はこうしてお手伝いさんのお仕事をしているというなんとも働き者の方でした。こうしたライフスタイルはアメリカの移民らしいかもしれません。

適当な時間に始まり、流れ解散
アメリカのホームパーティー、特に大人数を呼んでいるようなパーティーは、開始時間に全員が集まることはまずありません。もちろん開始時間に到着しても良いですが、別の用事などの関係で遅れてしまっても問題ありません。大人数の場合、帰るときも同様で、それぞれ好きな時間に帰ります。

今回もそうでしたが、気づくと人が増えていて、適当な時間になると少しずつ人がいなくなっている、というのは大きなパーティーでよくある光景です。

初対面の人ともカジュアルに会話
ホームパーティーは、ホストが自分と繋がりがある人を誘うので、呼ばれた人同士が友人とは限りません。そんな時でも、目が合ったら自然な形で会話が始まります。

20人以上がいても狭さを感じないぐらい広いHさんの家。ごはんを食べたり、お酒を飲んだり、会話に精を出したりと、皆それぞれの時間を楽しんでいます

いきなり何を話したら良いのか分からない、と思う人もいるかもしれませんが、まずは軽い話題から入ると話しやすいです。例えば、「ホストのHさんとはどうやって知り合ったのですか?」と話を振り、「僕も日本に住んでいて、その時からの友人なんだよ」と返事がくれば、「日本に住んでいるんですね!いつからですか?日本で何してるの?」と会話を発展されることができます。

そうした形で、初対面の人ともお互いの共通点やお互いに興味がある話題を見つけて、話を弾ませるのです。このように、初対面の人との会話の糸口をつかむことを、英語では、"ice break"と言います(二人の間の氷を溶けさせる、という表現です)。アメリカ人はice breakが得意で、初対面の人とでも意外と深い会話に発展することも。

 


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