11月の第4木曜日はThanksgivingです。
アメリカではハロウィンが終わるとThanksgivingの話題でもちきりです。日本ではこうした休日がないので実感が湧かないのですが、日本でいうとお盆とお正月をあわせたような日ですっていったら重要度が伝わるかもしれません。
Thanksgivingとはいわゆる感謝祭。毎年、秋の収穫をお祝いとして、家族で集まってひたすらごはんを食べる日です。また、街ではHappy Thanksgivingというカードも売られていて、親しい人同士でカードを送りあう習慣もあります。みんな実家へ帰省するので、道路や空港、電車は大混雑。当日は仕事や学校はお休みですが、今年は混雑を避けるためにその前から休暇をとって帰る人も多く、Thanksgiving直前のJFK空港の大混雑の様子がテレビに映し出されていました。
私は、お隣のニュージャージー州のロッジへ小旅行に行きました。
マンハッタンからわずか電車で1時間ちょっと、そこから車で10分ぐらいのところなのですが、そこには見渡す限り林が広がり、人一人として歩いていません。都会の喧騒を離れる、といっても、ここまで何もないと逆に驚いてしまいます。
この一帯は、Palisades州立公園。
ロッジはこの公園の中にひっそりと建っていました。
そこはまるでアメリカの古いドラマを彷彿とさせるような世界。
木造平屋建てで、中には大きな暖炉があり、団欒のための大きなテーブルといすが並び、数十年も前のときにタイムスリップしたような感じです。
ここは、Thendara Mountain Club という自然愛好家が集まるクラブが所有するロッジで、今回の企画をしてくれた方は、このクラブのメンバーです。メンバーになると、好きなときにロッジを予約して家族や友人を招き、皆ここでそれぞれの休日を過ごします。
日本でもこうした会員制のクラブのようなところはあると思いますが、一番大きな違いは、もっと開かれた世界であるということ。
全然知らないメンバーと予約が重なって一緒に過ごすこともあるし、一つ屋根の下にいても、本を読んだり、料理をしたり、散歩に行ったり、みながそれぞれ自分の好きなことをして過ごしています。
色々な人と過ごすので、協調性は必要だけれど、それ以上に過度の気遣いはいらないなんとも不思議な空間でした。
このクラブの歴史は古く、もともとはGreen Mountain Clubの一支部だった団体が独立して現在の姿になったようで、当初のクラブは20世紀前半の設立です。
なんともすごいのは、このロッジがその当時とほとんど同じ姿であるということ。
ロッジの一室に大切に保管されているアルバムに収められているセピア色の写真は、1918年からの写真ですが、内装は今も昔も全く変わっていません。
自然を愛する人たちが週末に集まり、暖炉をかこんで談笑する姿は今も昔も同じで、こうして時が流れても昔の姿を大切に残していったメンバーたちの暖かい心があふれるすてきな空間です。
ゴミの分別は分別は不徹底だし、資源の無駄遣いが激しいアメリカの大量消費社会には日々疑問を持っていましたが、自然を愛し、日本と比べてもかなり徹底した資源を節約する暮らしがひっそりと営まれていたことは、新しい発見でした。
次回は、Thanksgivingの定番料理、そしてその翌日のBlack Fridayの様子をお伝えします。