一般的に、「アメリカの大学生はよく勉強する」と言われていますが、サークルやバイトに精を出す日本の大学生事情しか知らない私にとって、それは未知の世界でした。そして、日本に広まっているこの固定観念は本当に正しいのかな~、という疑問は、こちらへ来てぜひ確かめてみたいと思っていました。
そして今はっきり言えるのは、その答えは、「Definitely YES」です。
アメリカの大学生事情は、日本とは正反対の世界です。
違いを思いつく限り挙げてみると…
キャンパスを一人で歩いている人がほとんど
日本の大学との一番の違いではないかと思います。
私の大学時代を振り返ってみると、一人で歩いていることはほとんどなかったと思います。友達とはぐれてしまったら、電話やメールで連絡をとっていました。
しかし、こちらの学生は、基本的に単独行動。みな自分が目指す方向に足早に向かっています。
携帯をいじっている人は皆無
日本の携帯のほうが色々な機能があって楽しいから、というわけでもなさそうです。こちらにも、楽しいアプリケーションが満載のiphoneがあって学生のほとんどが所有しているからです。
ただ、必要があって電話をしている人はいても、メールを必死に打ったり、ゲームをしている人は全くいません。
みんな大きなかばん
分厚いテキストを入れるために、リュックサックや丈夫な布製のかばんの人が多数。みんな機能性重視なのでしょうか。
ブランドバックは見かけたことがありません。
食堂でも勉強している人が多数
友達とごはんを食べている人が半分ぐらい、残りの半分の学生は、ごはんを食べながら、難しそうなテキストに目を通しています。
図書館は深夜まで開館
様々な事情により、家で落ち着いて勉強できない学生を考慮して、図書館は深夜まで開いています。
スタッフの都合よりも、学生の勉強環境を最大限に尊重しています。
そして、図書館は試験前以外でも混雑。パソコンもいたるところに置いてあるのですが、ネットサーフィンをしている人は全然いません。
サークル活動は勉強の合間に
スポーツ系、文化系とあらゆる種類のサークルがありますが、加入していない学生も多そうです。
活動も、勉強の負担にならないシンプルな内容。
クリスマス前はテスト週間。
私の友達も、学校のレポートに追われて、今月に入ってから、1週間に1回は徹夜をしています。(私は大学の勉強のために徹夜したことは、もちろんないです。)
あまりの違いに、いまだにカルチャーショックを受けています。
みんな自分の道を開拓するのに一生懸命です。
しかし、そこにはぴりぴりした張りつめた空気は全くなく、各学生のエネルギーと知性が結集して、どこにもないアカデミックな独特の雰囲気が作り出されています。
こんな光景を目のあたりにすると、国際社会の中での日本の地位の低下の原因は、学校教育にあるのではないか、と強く思うと同時に、先行きはますますあやしくなっているのではないか、と思わずにいられません。
しかし、アメリカの学校教育に弊害があることも事実。日本とは比べものにならないぐらい高い学費で、卒業時点で多額の学生ローンを追っている学生も多く、卒業後に学生時代の投資(お金、時間)回収のためにお金儲けに走り、現在のウォール街のようないびつな世界を作りだした、とも言われています。
大学生が勉強熱心なのは、アメリカに限りません。
コロンビア出身の友達は、大学時代2つの専攻取得のために、毎日2時間しか寝ていなかったそうです!
また、韓国出身の友達も、みんな専攻を2つ持っています。日本の一般教養の時間を他の専攻取得のための時間にあてているようです。
そう考えると、国際社会の中で日本が生き残るには、大学教育を世界の標準にあわせる必要があるのではないか、と思わずにいられません。