王室国家は世界にいくつかありますが、日本のような特殊な「皇室」をもつ国はないこともあり、海外でも日本の皇室への注目度は高いです。
愛子さま不登校の報道についても、NYで一番多くの人の信頼を得て学校の教材で使われることも多いNYタイムズが、独自の視点でコメントを寄せていました。
日本のマスコミが、不登校に焦点を絞って、その事実関係等を報道しているのに対して、NYタイムズはもっと広い視点から日本の皇室の行方を分析していて興味深いです。
アメリカの新聞での日本についての報道は、たいてい即座に翻訳されて日本へも配信されているように思いますが、皇室報道はセンシティブな面も多いせいか、この記事の日本語訳はどうやらないようです。
とても長い記事なので、以下要約です。
(3月12日付NYタイムズより)
宮内庁の担当官は、愛子さま不登校の報告と合わせて、雅子さまが7年間悩んでいる不適合障害についてもコメントを寄せたため、雅子さまの苦難の人生が再びマスコミの目にさらされることになった。
愛子さまが過度に神経質で感情的にもろいのは、雅子さまの体調も関係していると話すコメンテーターもいる。
そこで気になるのは、愛子さまのいじめ報道を聞いて、日本人が雅子さまに同情するのか、それとも、彼女への批判を強めるのか、ということ。
口が堅い宮内庁の担当官からの愛子さま不登校の突然の報告は、日本のマスコミをにぎわせたが、不登校という珍しくない問題に宮内庁が過度に反応しすぎている、との批判もある。
だが、それ以上に非難の的となったのは、学習院初等科。
生徒が走ったり、授業中に大声を出したり、校庭でけんかしたりというのは一般的だが、皇室一家が通う学校では許されることではない。今回の件で、皇室の学習院離れが進むかもしれないとの声も聞かれる。
また、保守派の人々は、愛子さまの問題が、皇太子様の皇位継承にも影響を及ぼすかもしれない、としている。
あるコメンテーターは、体調がすぐれない妻と不登校の娘をもつ皇太子様が、天皇としての役割を全うできるのか、と問い始めている。
皇太子様はこれ以前も、お世継ぎ問題で批判も対象となった時期があったが、これは紀子さまが男児を生んだことでいったんは解決している。
その一方で、今回の件は、上記の批判以上に、世間の雅子さまへの同情が強まるのではとの声も聞かれる。いじめは日本の受験戦争の中では珍しくないことであり、そうした問題に直面している雅子さまを、国民はより身近な存在として捉えるからである。
日本のマスコミが、学習院の内情に焦点をあてているのに対して、NYタイムズは、愛子さまをとりまく家族、皇室という特殊な環境にも目を配った内容となっていました。
でも、これだけの記事を書くには、皇室のバックグラウンドも深く知る必要があると思うのですが、NYタイムズにも、皇室ウォッチャーがいるのでしょうか。
NYタイムズは、愛子さま自身よりも雅子さまの人生により焦点を当てていました。ハーバード大卒で元外交官と華やかなキャリアを積んで皇室へ入った彼女への注目度が高いことのあらわれだと思います。
同じニュースでも、視点の違いでこんなに違った切り口になるのは興味深いです。