先週金曜日、三大格付会社の一つであるS&P社がアメリカ国債の格付けをAAAからAA+へと1段階下げたことによる市場の混乱は1週間経った今でも依然として続き、アメリカのテレビ、新聞も連日この話題でもちきりです
経済に興味はあるものの、金融事情には疎いのでウォール街で一体何が起こっているのかはいまいちよく分からないので色々と調べているのですが、湧き上がってくるのは疑問ばかり。
アメリカ経済はそんなに将来を悲観する状態にあるのでしょうか
S&P社の格付けはそんなに影響力を持っているのでしょうか
高止まりの失業率等、景気の先行き不透明の指標は以前からあったのに、なぜいま格下げなのでしょうか
他の二大格付け会社はこの状況をどのように見ているのでしょうか
まず、S&Pの指標を見ると、アメリカと同じレーティングの国はベルギー。私たちがぱっと思い浮かぶ大国はたいていAAAとなっています。なお、日本はいつからこのレートなのかは分からないのですが、AA-でした。
S&Pの一番の競合であるムーディーズは、S&Pに対抗するため、アメリカの格付けをAAAのままに据え置くといわれています。そのため、三大大手の残り一角を占めるフィッチ社の今後の判断に注目が集まっています
しかし、格付けはあくまでプライベートな会社が付けた主観的な指標であることも忘れてはいけません大手テレビ局の一つであるabcニュースでは、過去のS&P社の格付けが信憑性に欠けた事例をいくつか取り上げていました。例えば、金融危機の引き金となったリーマンブラザーズの破綻直前にレートを全く引き下げなかったり、S&P社の格付けの正確さに疑問が残る事実は過去にいくつもあるようです
また、何十年も先のことは分からないけれど、当分の間は世界の経済、政治の中心国の1つとして誰もが疑わないアメリカが、他のAA+の国と同じ経済状態とはなんだかしっくりこないです
オバマ大統領は、今回の混乱は政治的混乱に端を発するもの(先日の赤字上限引き上げ法案の際にも、共和党の反対により、法案はなかなか議会を通過しませんでした。)で、「アメリカは今でも、そしてこれからもAAAの国であり続ける」との声明を発表しました。
今回の出来事、今後についてのアメリカメディアの見方、そしてNYで感じる景気指標は、追って取り上げていきたいと思います。