アメリカでサバイブしていく上で重要なことのひとつが、「信頼を得ること」です。あらゆる国からの多種多様な価値観、宗教、様々なバックグラウンドをもつ人々であふれているこの国では、何事においても絶対的な基準を設けることは不可能です
そういった日本にいたときの暮らしからは考えられないぐらいに多様な人々が混在しているこの国では、「人として信用できるか。」ということがあらゆる場面で重要なこととなってきます。それは、それだけ信用できない人がいるということの裏返しかもしれません。
たとえば、アメリカに来て最初に遭遇するカルチャーショックは、アメリカの携帯電話会社と契約を結ぶこと、銀行口座を開くこと、クレジットカードをゲットすることが意外にも難しいことです。特に仕事でなく、勉強等でやってきた場合には、最初の生活のセットアップからつまづいてしまいます
それは、まだこの国での信用を築いていないから
アメリカでは、Social Security Numberという社会保障番号で個人情報が全て管理されていますこれは、アメリカ市民、永住権保持者、就労許可者に与えられる番号で、公式書類では必ず記載が求められ、社会保険支払いのためだけでなく、アメリカでのID番号のような位置づけとなっています
そのため、この番号ひとつで、勤務先、納税額、クレジットカード使用歴、滞納歴、犯罪歴等々全てがわかってしまうのです
これがそのSocial Security Card。いざ届いてみるといたって普通の紙切れなのですが、やはりこのカードを手にしたときの特別な気持ちは今でも覚えています。やっとアメリカで一人前になった感じ
本来は、社会保障税と紐付けるための番号であることから、海外から来た人がこの番号を得るのは、納税資格を持ったとき、つまり就労を開始したときです。そのため、学生の間はこの番号はもらうことができません(学内でバイトしている場合には、仮の番号が渡されるのみです)。
しかし、アメリカへやってきた当初は、納税歴も浅いし、アメリカのクレジットカードもない状態なので滞納歴がないことを証明することができません。そのため、携帯電話会社、銀行、クレジットカード会社はこうした信用力が分からない人々との契約を拒むのですそんなことから、アメリカへ来た当初は、こうした制約が少ない日系の会社と契約を結び、やがてSocial Security Cardを入手できる状況となってから、徐々に契約をアメリカとの会社へと変えていくという長期戦もやむを得ません。
そうした面倒なこともあるけれど、獲得した「信用力」はあらゆるところで武器となることも間違いないです日本では、ビジネスの世界では分かりませんが、普通の生活ではあまり人を紹介し合うということはないように思うのですが、アメリカでは日常生活の中で一般的に行われていますそれは、自分の友人や知人が紹介してくれたなら間違いないという「信用力」から来ているのです
仕事探しのような場面でも、紹介は日本語でのコネといったちょっとネガティブなニュアンスでとられることはなく、逆にxxさんの紹介で、と言って履歴書を提出すると対応が早かったり、また紹介なしでアプローチするよりも良い結果が得られることは間違いありません
この2年間のNY生活を振り返っても、ここまでやってこれたのは、良い仲間に恵まれ、そしてあらゆる場面で助けてもらってきたおかげだと思います。そして良い人にめぐり合うと、その人がまた新しい出会いやチャンスを提供してくれて、どんどん世界が広がっていくのはありがたいです
こんなに信用力が必要な国なのに、他人を簡単に信用する思いがけない場面に遭遇することも多々あります。なだかどこまでも不思議な国です次回は、2年経っても分からないそんな疑問についてです。
やっと時間ができたので、たまっていたネタをどんどんアップしていきたいと思っています。NY生活が長くなってくると、驚くことも少なくなってきた分、ネタが枯渇してしまわないようにするためにも、日々新鮮な生活を送っていきたいです。