いつ何があるか分からないNY。楽しい出来事は、ある日予期しない形で突然やってきます
今回も、それは昨日届いた日本人デザイナーの友人からの1通のメールから始まりました行った先は、日本のファッション業界の最先端にいる日本人女性生駒芳子さんがプロデュースするNYでの展覧会「WAO」
生駒さんは、VOGUE Japonの創刊メンバー、ELLE Japonの副編集長を経て、marie claireの編集長を経験後、独立。ファッション編集者のとして業界最先端に長年いた経験を生かして、現在は日本の伝統工芸を現代風におしゃれにアレンジし、そうした作品を発信するプロデューサーとして活動していらっしゃいます
今回の企画WAOは、NY、東京、パリの3都市をまたいだ初の試み経済産業省のクールジャパンという日本文化発信の一環として行われています。
WAO = WA(和)+ O (生)
WAO = WOW
日本で長いこと受け継がれてきた「巧」たちの技術繊細で細部までにこだわった、それでいて頑丈な作り。そうした伝統工芸は、いま存続をかけて新たな局面に直面しています。生駒さんは、そんな伝統工芸をよみがえらせようと立ち上がりました「これをビジネスにするというよりも、今はただこのすばらしい伝統工芸を少しでも広めることしか考えていない」「初めての企画展で試験的要素が多かった今回。3都市開催の最初の都市NYで予想以上に高く評価してもらえたことが何よりうれしい」と語る生駒さんは、Japanese beautyを自ら体現されたすてきオーラ漂う女性でした
今回展示されていた商品は、生駒さんが総合プロデューサーとして、彼女のもとで14人のキューレーターたちが選んだ伝統工芸、そして日本全国各地から出展された作品たち。
14人のキューレーターの一人である建築家Kengo Kumaさん推薦の木曽ひのきを使った加湿器。電動式でないため環境に良いだけでなく、枡を作る時の残り木を使って作ったという優れものです。今回の企画点での一番の人気商品だったそうです。
中にはLuis VuittonやFendiといった超高級ブランドとのコラボレーション作品もまた、伝統工芸の細やかな技術を生かしながらも、現代生活にマッチしたデザインへと工夫がなされ、日常生活で使える実用品が数多く並んでいました
BOITE LAQUEE WAJIMA
ルイヴィトンと輪島市の漆職人とのコラボレーションによる宝石箱。2007年の能登半島大地震の復興のためにと立ち上がったルイヴィトンの提案により実現したこの作品。収益金は全額輪島商工会議所に寄付されます。花の模様の真ん中には小さくヴィトンのマークが。
NYにいて常々感じるのは、こうした繊細な感覚は日本人が一番持っているし、そして何よりそれを作ることができるのも器用な日本人ならでは。存続の危機にある伝統工芸が、その歴史や技術を残しながらも、こうした新しい形でよみがえり、私たちの日常生活を豊かにしてくれるというのは、なんてすてきなことでしょう。
生駒さんの挑戦、今後の展開から目が離せません。
WAOのウェブサイト
http://cooljapan-wao.com/
生駒さんはこんなすてきな方。インタビュー集、必見です。
http://www.koushinococoro.com/magazine/lifestyle/ikoma_jyosei/backnumber.html