前回の記事の冒頭で、今後もニューヨークの事件簿を書いていきます、と書いてみたものの、4年も暮らしているうちに、ちょっとした変な出来事には全く驚かなくなってしまったので、そうそう事件もないのではないかなぁと思っていた矢先、静かな日曜日の夜に、驚くようなことが起こりました
NYに来て間もない頃には、たまたま遊びに行ったクラブのトイレの水が逆流してあふれかえってきて目が点になっていた私ですが(本当にあった信じられない話 )、この4年間の間に起こった数々の出来事を振り返ると、トイレ事件なんてたいしたことないと思えるぐらいに、事件慣れしてしまいました
そんな私でも、確率論から考えても、一生のうちに自分の身に降りかかることは絶対ないだろう、と思っていたのが、エレベーター内閉じ込め
NYのエレベーターは定期的に検査が義務付けられているものの、そもそも古いものが多いので、私のマンションのエレベーターも、たまに一度閉まった扉が閉まりきらずにまた開いてしまう、なんていうことは普通に起こっています。そして、昨夜、地下のランドリーへ洗濯へ行き、部屋に戻ろうとして乗ったエレベーター。一見普通に上昇していったのですが、不気味な音とともに突然止まり、全く動かなくなってしまいましたどうやってもドアも開きません。不幸中の幸いは、アメリカ人女性が一緒に乗り合わせていたこと。一緒に急いでエレベーター内の緊急ボタンで、マンションの人に連絡をとりました。
エレベーター内の表示は4階を指しているものの、分厚い木のドアも開かないので、果たしてどこで止まってしまっているのかすら分からないまま係員の到着を待ちました。4階を表示していると伝えたので、係員は4階へ行ったのですが、声ははるか遠くから聞こえてきます。そして、ほどなくして、声の所在から、エレベーターは1階と2階の間で止まってしまったことが判明係員がドアをこじあけてくれると、2階の床から1メートルほど下がったところで止まっていることが分かりました。係員に引き上げてもらえば、なんとかよじ登れる高さだったので、早く抜け出したい一心でよじ登ろうとしたら、エレベーターが突然動き出したら大変だから、静かに待っていて、と諭されてしまい、結局係員ではどうすることもできません外部のエレベーター業者が到着して、無事にエレベーターを1階まで戻すまで1時間近くも、個室に閉じ込められてしまいました
エレベーターが1階と2階の間で止まっていることが分かった瞬間、最悪エレベーターが突然落下しても、地下3階ぐらいまでだから、怪我はしないだろう、なんてことを一瞬のうちに考えて少し安心し、あとはただ早く抜け出したい一心だった私ですが、一緒に乗っていたアメリカ人女性の対応は、さすがアメリカ人と思えるような、そしてこれぞアメリカ人の性格を集約したものだと思えるようなものでした
次回は、1時間の密室での彼女の言動を紹介したいと思います。