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ミルクシェーキで1925年にタイムスリップ

日々世界中から人々が流入し、新しい経済、ビジネス、アートの歴史を塗り替えていっているニューヨーク。その一方で、プレワー(pre war)と呼ばれる戦前のアパートが立ち並ぶ街並み。新進気鋭のシェフたちが新しい味を求めて切磋琢磨する一方で、創業当時と変わらぬ姿ですすけた看板のまま営業するお店。

新旧の絶妙な混在。過去と現在の交錯。マンハッタンを一言で表現するとしたら、こんな言葉が似合うのかもしれません。

年々うなぎ上りで高騰する家賃負担に耐えられず、静かに看板を下ろしていく老舗のお店は後を絶ちません。しかし、地元コミュニティーに支援され、代々続くのれんを必死に守ろうとするオーナーの努力あって、開店当初と変わらぬ姿で営業を続けているお店もあります。

私がマンハッタンに初めて足を踏み入れたのは、本格的に渡米するちょうど10年前の1999年のことでした。それ以前のマンハッタンの姿を知らない私にとって、こうした歴史ある建造物や場所は、ニューヨークの過去を肌で感じることができる貴重な存在です。

今回ご紹介するのは、1925年から続くダイナー、Lexington Candy Shop。

メトロポリタン美術館にもほど近いアッパーイーストの街中にありますが、現代のお店とかとは思えないレトロな外観です。

ダイナーとは、日本語で表現すると、ファミレスと喫茶店の中間のような存在でしょうか。4人掛けのボックス席が並ぶ、特におしゃれけのない空間。メニューは昔ながらの喫茶店のアメリカ版といった感じで、アメリカと聞いて思い浮かぶ、ハンバーガーやフライドポテト、ホットケーキ、トーストなどが注文できます。

店内にはいたるところに、絵や写真が掛けられています

Lexington Candy Shopは、1925年創業。代々一族が継ぎ、現在は3代目のオーナーがお店を切り盛りしています。創業当時の姿を守るべく、当時と同じメニューで営業を続け、ニューヨーク市のランドマークにも指定されているお店です。日曜日の昼探し、お店の中には常連さんらしき親子3代が食事をしていました。

看板メニューはミルクシェーキ。開店当時と同じレシピで作られています。


一人一杯ずつ頼んでみたのですが、一人前で3人から4人は飲めるのでは、というほどの量でした。アメリカサイズなので、写真のコップは日本の1.5倍ほどのサイズです。

お店を訪れたらぜひ店内をぐるっと観察し、昔のニューヨークに思いをはせてみましょう。

そして、見逃せないのは、小さなお店の入り口に所狭しと陳列されている未開封のコカ・コーラのビン。アメリカ国内のものは、イベントで特別に作られたもの。国外のものも多くあり、日本語が書かれたとても大きなビンも飾られていました。


かなりの数のコレクションです。老若男女問わず、一日に一人一本は飲んでいると言っても過言でないほど普及しているコカ•コーラ。それだけに、このコレクションは歴史的価値がありそうです。なお、一番左端に見えるのが、日本のビンです。

また、今でもフル稼働している1940年のビンテージもののミルクシェーキ製造機も見逃せません。

Lexington Candy Shop
http://www.lexingtoncandyshop.net/content/product-description
1226 Lexington Avenue New York, NY 10028
Mon-Sat 7am-7pm
Sun 8am-6pm


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