NYに憧れてやって来る人は後を絶ちませんが、この街で長く暮らしていこうと思ったら、まずは定職を得ることが不可欠です。駐在員のように、日本の会社に紐付いて一定期間NYで暮らすケースを除き、NYに夢いっぱいに乗り込んでくる人たちは、皆最初はゼロからのスタート。生活の立ち上げに始まり、生活習慣や文化の違いから思いがけず降りかかってくる様々な問題に対処しつつ、就労ビザをサポートしてくれる会社探しに翻弄することになります。
日本で働いていた会社を辞めて、学生としてNY生活をスタートした私も、そんな一人です。NYへ渡ってから、リーマンショックの影を引きずる中での厳しい経済状態の下で、就職活動は半年以上にも及ぶこととなり、最終的には1年近く無職の状態となりました。
その当時を振り返ると、日中は学校に行き、宿題を終えた後は毎日コンピューターとにらめっこして複数のインターネットの求人情報のページをまわってその日に更新されたものがないかをチェックしたり、転職会社の人に連絡したり、日本人の集いに行っては仕事がないか尋ねてまわったり、なんてことをしていました。後から振り返ると気の遠くなるような地道な作業で、かつ周りで前例も聞いたことがなく、本当に仕事が見つかるか全く保証のない中での就職活動だったので、危ない綱渡りのような状態だったのですが、そんな私のエネルギーの源は、「NYに恋して」いたからに他なりません。
そして来月、私のNY生活とこのブログは5周年を迎えることになりました。NY生活が長くなり、アメリカのことも少しずつ分かるようになって来た今強く抱くのは、英語の壁さえ突破すれば、海外で活躍できる日本人はもっといるに違いない、という確信めいた気持ちです。英語の壁が厚く立ちはだかってくるのではないか、と思われる方も多いと思いますが、英語は完璧な必要は全くないし、むしろアメリカで生まれ育っていないのに、完璧になるのは不可能です。英語はあくまでコミュニケーションの手段なので、意思疎通がきちんとできれば問題ありません。
英語の話はまた別の機会に譲るとして、NYでの仕事探しを成功するための秘訣を、私自身や友人のケースを踏まえながら、考えていきたいと思います。
逆光のため写りが悪いですが、金曜の夕方、大混雑のブライアントパーク。グランドセントラル駅からも近い都心にあるこのスペースは、ニューヨーカーの憩いの場です。