ライティングとリーディングは独学が可能なので、その力が伸びやすいけれど、リスニングとスピーキング、特にスピーキングは相手ありきのようなところがあって練習の場が限られてしまうので、一般的に、どの国の人もライティングとリーディング力が、リスニングやスピーキング力よりも勝っていると思っていましたが、どうやらそうではないようです。
日本人にありがちなライティングとリーディング力が高いという現象は、アジア諸国の人に総じて当てはまりますが、ヨーロッパや中南米の人たちは、リスニングとスピーキング力の方が高いということは、こちらで語学学校に行ってから気づきました。
あくまで一般論ですが、アジア諸国の人たちは、他国の人よりおとなしめで黙々と勉強するのに対して、ヨーロッパや中南米の人たちは、陽気でとにかく話す文化で育っているため、文法が違っていても、あまり気にせずに、どんどん話しているので、こうした違いが生まれてくるようです。また、母国語がラテン系をルーツとしていれば、英語との共通点も多く、構文を考えずに話せるというメリットもあると思います。
先ほど上げた英語の4つの能力は、もちろんどれも重要ですが、NYに来てつくづく思うのは、「生きていく」ということを考えてまず取り組むべきなのは、リスニングとスピーキングだと思います。
なぜなら、この2つの能力が足りないと、ネイティブの人との会話が成立せず、結局いつまでたってもアメリカ生活に馴染むことができないからです。生活をしていく上で、携帯電話の契約をしたり、家の修理を頼んだり、といった場面も、英語で行わなければいけないので、完璧な英語でなくてもいいので、言いたいことをきちんと伝えられるという能力が必要になってきます。
リスニング力とスピーキング力はどちらも重要ですが、リスニング力の方がより重要です。
相手が何を言っているのか分からないと、それに対して返答ができず、結局プライベートでもビジネスの場でも、会話が成立しなくなってしまいます。
ただ、面白いことに、リスニング力とスピーキング力には相互関連性があり、リスニング力を鍛えると、スピーキング力も少し向上します。ネイティブの会話が聞き取れるようになると、表現力が身につくので、自分が言いたいことをどういった言い回しで話せばいいかが分かるようになるからです。
日本の英語学習教材や、外部の英語学校にいるネイティブの先生は、完全に語学学習途上の日本人を意識しているので、話す速度も遅いし、単語もはっきりと発音してくれています。
しかし、アメリカの映画やドラマで登場人物たちが話している英語こそが、生きた英語なのです。
あまりのギャップに驚いてしまい、英語学習は果てしない道に思われるかもしれません。
でも、文法をしっかり習っている日本人なら、正しい方向に努力をすれば、リスニング力はもっと向上するのではないかと思っています。
私もまだまだ実践途上ですが、こちらへ来てから気づいた究極のリスニング力強化法を、今後紹介したいと思います。