日本は世界でも類い稀な宗教の影響が弱い国だと思います。歴史を紐解けば、宗教が日本の政治や人びとの生活に影響を及ぼしていた時期もありますが、今は神仏習合のもとで、特に信仰深い人以外は、宗教に根ざした生活はしていません。そんな状態が極めて珍しいことは、ニューヨークで暮らせば暮らすほどに、身をもって感じます。
世界を見渡せば、宗教が引き金となって国家間の対立もしばしば起こっていますが、今まで全く解せなかったそういったことも、ニューヨークで色々な人の暮らしを見ているうちに、なんとなく納得してしまいます。それほどに、宗教がベースとなった暮らしをしている人は驚くほど多いのです!
最近は、信仰深いヒンズー教徒のインド人と仕事をし、改めて信仰の威力に驚くような出来事の連続でした。
牛肉を食べないのは当然ながら、そのインド人は完全ベジタリアン。卵ですらも食べられないのです。さらには、同じテーブルの人が、カニやロブスターのようなものを食べるのを見るのもダメだとか。。
出張先だったので、夜ごはんは悩みの種となりました。
初日はインド料理で、2日目は和食。
和食屋さんのメインメニューはお寿司だったので、その彼の目の前で生魚を食べてもいいのか心配だったのですが、どうやら大丈夫だったようで一安心。
ちなみに、そのインド人は、カッパ巻きとアボカド巻き(アメリカではなぜか定番)をひたすら食べていました(笑)
前菜もいくつか頼んだのですが、絶対に大丈夫と頼んだものの上に鰹節がかかっていたのでダメだったり、野菜てんぷらは衣に卵が使われているのでダメだったり。なかなか難しいです。
お味噌汁はワカメとお豆腐しか入っていなかったので、みんなで確認した上で勧めたら、とても気に入ってくれたようですが、後からよく考えたら、ダシは魚からとっているので、きっと飲んではいけなかったはずです。
知ったら発狂してしまうと思うので、口が裂けても伝えられない事実です。
信仰深いのは悪いことではないと思いますが、こうした融通のなさが、世界の宗教対立を生んでいるのかと思うと、複雑な気持ちです。
今日は偶然、映画の撮影現場に遭遇しました。日曜日の午後に、グラセン近くの5番街、ニューヨーク公立図書館前を封鎖して行われた撮影。横転した車はセット