私が抱えていた問題は、
ネイティブの人たちの言っていることがだいたい聞き取れても、「だいたい」の域を超えないため、聞き取れていない部分が常に不安で、会話のキャッチボールを自信を持ってできない、
ということでした。
それを解消するためには、「だいたい」聞き取れている状態から「完全に」聞き取れている状態へと持っていけば良いのですが、そこには次の2つの課題の克服が必要だと思っていました。
①既に知っている単語や熟語、助詞等でも、自分の耳が悪いために聞きそびれてしまっている。
②そもそも知らない単語で何を言っているか分からない。
①と②のうち意外にも厄介なのは、①です。
②の場合は、ただ単語を覚えればそれで解決するのですが、①のケースは、ネイティブの発音と自分が思っている発音にギャップがあることが原因ですので、自分が間違って覚えてしまっている音の概念を根本的に修正しなければいけません。
高度な大学受験を乗り越えて、ペーパー試験対策の英語をしっかり学んできた日本人の場合、よほど学術的な講演会に参加するような特殊な場合を除いて、日常生活やニュース、職場で英語が思ったように聞き取れていない場合、その理由はたいてい①に該当すると思います。
この①を克服するために私が思う一番効果的な方法は、
1. 英語の発音の勉強をすること:You tubeでAmerican English pronunciationのような形で検索をすると、AからZのアルファベットごとに、口の形と正しい発音を流してくれるビデオが多数あります。自分が気に入ったビデオを見つけたら、ネイティブの発音を聞き、携帯の録音機能を使いながら、鏡を見ながら同じように発音してみます。発音が悪いのは、口の形と舌の位置がおかしいということ以外に原因はありませんので、録音した自分の声を聞いて、ネイティブと同じと思う音が出るまで、鏡を見ながら地道に練習します。
かなり根気がいる作業ですが、一度にたくさんやろうとせず、毎日数分でも良いので続けることが大切です。
2. 好きなドラマや映画の一部分を繰り返し聞くこと:ここで重要なのは、まずは字幕を見ずに聞き取ってみる、ということです。そして全体像をつかんでから字幕を見ることで、自分がどういった箇所を聞き取るのが苦手かを冷静に知ることができるようになります。
字幕付きで何度も聞いてみて慣れたと思ったら、字幕はちらちら見る、もしくは、全く見ないようにしてさらに繰り返し聞いてみましょう。最終目標は、字幕なしで完全に聞き取ることです。
この2つの方法は、とても地味ですが、驚くほど効果があることは、私自身が実感しています。毎日真面目に取り組んでいたわけではありませんが、数ヶ月で見違えるほど英語耳が良くなりました。
日本で英語を勉強している場合、ネイティブの人の発音を聞く機会が圧倒的に少なく、学校教育でも発音や聞き取りへの比重が軽いために、知らず知らずのうちに間違って記憶してしまって、自分の脳が凝り固まってしまっていることがあります。
そのため、この2つの方法を使って訓練することで、この間違って凝り固まってしまった記憶をほぐしていくことができるのです。
英語の勉強は、スポーツと同じで、正しくトレーニングしないと努力しても成果が現れないことがよくあります。ぜひこの2つの方法をお試しください。英語を熱心に勉強している方々の努力が少しでも早く実りますように〜。
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