NYから日本を考える

アメリカ人に人気の和食

ニューヨークには、ここ数年の間に和食屋さんが次々とオープンし、日本食ブームの勢いは止まりません。

でも、残念ながら、「家庭の」和食を知っているアメリカ人はほとんどいません。
やはり、レストランでの食事だと、アメリカ人受けするようなメニューが中心になっているし(味が濃かったり、脂っこいものが多いです)、アメリカ人は日本式の居酒屋でも、自分の食べ慣れたお寿司(ここでいうお寿司は日本で食べられるようなきちんとしたものではなくて、日本人以外の見習いのような人が握ったアメリカ流のお寿司です。)や唐揚げ、天ぷらのようなものばかりを注文するので、日本の家庭料理を知る機会はないのです。
{688436DA-0661-4DC3-929F-2645915FCF58}とんかつはアメリカでも人気。マンハッタンにとんかつ専門店もあります。写真は、日本で食べたヤマヤのメンチカツ定食。こんなにお得な値段で美味しい和食が食べられるお店は、残念ながらニューヨークには皆無です。
学生ビザでこちらへ渡り、節約のために始めた料理ですが、次第に楽しくなって趣味と言えるレベルになり、最初の一年は、我が家の小さな部屋に、クラスメートや友達を集めてよくプチホームパーティーを開いていました。
和食の美味しさを少しでも知ってほしい、との思いから、ごはんは毎回私が一人で作っていたのですが、思った以上にみんなが喜んでくれて、度重なる開催へと繋がっていきました。
海外では、食材が思ったように手に入らないので、日系スーパーで買える日本の野菜や食材を利用し、そして一人で何人もの料理を作るので、手間がかからず、でも見栄えが良くてホームパーティーにふさわしそうな献立を、自分なりに考えてきました。
その結果見えてきたアメリカ人に人気のメニューは、
・ちらし寿司: ちらし寿司の素を使うだけでなく、錦糸卵やイクラ(ニューヨークで手に入るのは冷凍のみ)やサケフレークを散らせると華やかに仕上がります。もう5年以上前に作ったちらし寿司が美味しかったのを今でも覚えていると、最近韓国人の友人が話してくれました。つい最近、我が家に遊びに来たメキシコ系アメリカ人やルーマニア人、中国人の友人もとても気に入ってくれました。万人受けするメニューです。
・肉じゃが: 日本のみならず、海を越えて世界中の人に大人気。色々作ってテーブルに並べても、いつも一番最初になくなるほどの人気メニュー。
・ポテトサラダ: 和食というより洋食のカテゴリーかもしれませんが、キューピーマヨネーズを使って作っているので、日本の味です。昨年、知人のクリスマスパーティーに持って行ったら参加者皆から美味しいと評判でした。
こうして見てみると、面白いことに、肉じゃがもポテトサラダにもある共通点があります。
それは、どちらも、アメリカのスーパーにある食材だけで作れるということ!
アメリカのスーパーでキッコーマンのお醤油は手に入るし、マヨネーズもキューピーがなければアメリカのものを使っても良いのです。
日本の味と言っても、どちらも、アメリカ人の舌に慣れ親しんだ食材の組み合わせでできた献立。
実は、アメリカのスーパーで手に入らるものだけで作れる日本の献立はほとんどないので、こうした献立はかなりレアです。
ちなみに、日本人だったら絶対に分かってくれるような春菊の胡麻和えや蒸しナスの胡麻和えといった地味なメニューは、あまり人気がありません。
こうして見ていると、色々傾向が見えてきて面白いです。

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