海外に出ると、日本の製品の品質の高さに驚くことが多いです。
例えば、サランラップ。アメリカのサランラップは全く貼りつきません。
そのため、日本人の友人宅に行くと、必ず日本のサランラップが置いてあります。
アメリカの化粧品は、日本では海外ブランドとして注目している人も多いかもしれませんが、個人的には、日本ほど品質の高い化粧品を作っている国はないのではないかと思います。
実際、NY発の人気化粧品会社を買収した日本のある大手化粧品メーカーの人が、買収先のアメリカの会社の商品は、粗い作りで、日本では売れないと話していました。
最近行ったブルックリンのボディーソープとフレグランスの専門店。
それでも、NYに住み始めた当初は、アメリカの化粧品を使ってみたくて、SEPHORAで化粧品を買ったこともあります。
SEPHORAは、フランス初のコスメのセレクトショップ。以前は日本にも店舗がありましたが、残念ながら撤退してしまいました。
SEPHORAは、今人気の様々なブランドの商品を揃えていますので、街中に多数ある大手薬局(CVSやDuane Reade、Wall green)に置いてあるよりもランクの上の化粧品を買いたい時に、ぜひ立ち寄りたいお店です。(もっと高級な化粧品を買いたいときには、Macy'sやBloomingdalesといったデパートの化粧品売り場がおすすめです。)
そのSEPHORAに入ってみると、並んでいるのは、アメリカの化粧品ばかり。
そして、お店の端のほうに少しだけ資生堂の商品が置いてあるのです。
アメリカで美容家として活躍している女性によると、日本人(と韓国人や中国人)の肌がつややかできれいなことはアメリカでも広く知られていて、皆うらやましがってるようですが、そのきれいな肌は、食生活や化粧品によって得られたものではなく、生まれ持ったもの、と思っているアメリカ人が多いそうで、日本の化粧品の説得力は低いそうです。
つまり、アメリカ人が同じように日本の化粧品を使っても、日本人のような肌にはならないと最初から思い込んでしまっているようです。
その話を聞いて、日本で人気の化粧品会社が全然アメリカに進出していないことに納得です。
ブルックリン側からブルックリンブリッジとイーストリバーを望む。
私が日本へ一時帰国するたびに必ず立ち寄るRMK。創設者のRUMIKOさんはNY在住ですが、RMKはアメリカで商品を売っていません。
日本の大手化粧品メーカーでアメリカでもビジネスを行っているのは、資生堂だけではないでしょうか。
その資生堂も、アメリカ人の間では日本ほど人気があるわけではなく、アメリカに住む中国人でアメリカの事業は支えられているのではないかと思ってしまいます。(中国人は資生堂の商品が大好きで、日本の化粧品というと、必ず資生堂の名前を挙げます。)
どんなに良いものでも、それがすぐに別の国でも売れるわけではないというのがビジネスの難しいところですが、そういった状況をどのように打開するのかを考えるのがビジネスの醍醐味かもしれません。