こちらへ来てから、教科書英語中心だった日本の学校での英語教育の限界を感じる機会が多々ありました。
先日の記事(こちらからどうぞ)に書いた通り、海外でサバイブするのに必要な英語力は、まずはヒアリングとスピーキングで、リーディングは一番後回しです。
日本にいる時、日本人が英語が苦手なのは文法や発音と日本語と違うところが多いからだと思っていましたが、NYで、大人になってから渡米し、母国語でない英語を自由に操る人たちに会うにつれて、勉強してもしてもなかなか世界平均にたどり着かない日本人の英語は、努力の方向性が違うからではないからかもしれない、と思うようになりました。
アメリカで暮らし始めてまもなく、日本の教科書に必ず載っている英語表現が、実はネイティブの人たちは全く使っていないことに気づき、とても驚いたのですが、その最たる例が、何かを聞き返すときの表現ではないかと思います。
日本では、"I beg your pardon."という表現がどの教科書にも載っていると思いますが、7年間のアメリカ暮らしで、この表現に遭遇したことは一度もありません。
では、ネイティブはどんな言い方をしているのでしょうか。
(疑問系のように語尾を上げて) "Sorry"
"Say that again?"
"Can (Could) you say that again?"
が一般的です。
最初の"sorry"はピンとこないかもしれませんが、文脈によっては、「すみません、聞き取れませんでした。」という意味になるのです。
英語にも丁寧語のような表現はありますが、日本の敬語のように厳格ではないので、"Say that again?"のような一見フランクに聞こえそうな表現も、上司やお客さんに使って問題ありません。
こうした生きた言い回しや場面場面に適切な表現は、日常生活でその感覚を身に付けるのが一番だと思います。そのため、私は、日々ネイティブの人が話している時には、助詞一つも聞き漏らさないように、と意気込んで、最大限の注意を払って、耳を傾けています。
こうした小さなところからネイティブの表現を「盗んで」いくと、少しずつ生きた英語に近づいていくと思います。
日本の教科書に書いてあるのに、実際の生活で使われることはない表現は他にも色々ありますので、少しずつこちらのブログでご紹介したいと思います。
写真は本文とは一切関係ありません(笑) 急に冷え込んできたので、ニューヨークで人気のもつ鍋屋さん、博多トントンのお鍋の写真を載せてみました。