アメリカ人は、色々な意味で日本人より合理的な部分があるように思います。
例えば、ルームシェアという概念は日本ではまだまだ一般的でないと思いますが、アメリカでは以前から広く普及しています。
ルームシェアの驚くべきところは、シェアする相手が全くの赤の他人ということもあり得ることです。2、3室の部屋とリビングにキッチン、バストイレ(アメリカでは基本的にユニットバス形式です)という物件を、一人一人個室は持つものの、リビング、キッチン、バストイレは共同で使用します。
トイレやキッチンを使いたい時間が重なることもあるでしょうし、リビングも誰かがいたらなかなか寛げません。
もちろん、一人暮らしができたら一番ですが、とりわけ家賃が高いニューヨークでは社会人の駆け出しの頃は一人で住むことは金銭的に厳しいケースが多く、ルームシェアが一般的です。
たまたま同じタイミングで同じようなエリアで同じような予算で物件を探している友人がいれば良いですが、そうでない場合が多いので、そうすると、craigslist(全米最大のインターネットの掲示板)等でルームメイトを見つけることになり、全く知らない人とルームメイトになるのです。(日本人の場合は、日系の掲示板で日本人のルームメイトを探すケースが一般的です。)
また、急速に広がっているAirbnbも同じ感覚だと思います。見知らぬ人の家に泊まるよりホテルの方が快適だけれど、良心的な値段という点で、Airbnbに軍配が上がることもあるのです。こうしたビジネスの発想は、他人と部屋をシェアすることに抵抗が少ないアメリカだからこそ、と思います。
そんな感覚からか、知らない人とのカープールもアメリカでは一般的です。
タクシーに代わる便利なサービスとして広く普及しているUber等の配車アプリの会社では、個人用とカープール用の2つの選択肢を提示しています。アプリで車を呼ぶ時に、一人で乗りたいか、カープールにしたいのかが選択できるのです。
当然ですが、カープールの方が若干遠回りになる可能性はありますが、値段は安いので、カープールを選択する人も多いです。
コロンバスサークルからBattery parkまでUberを呼んだ場合、こんな画面になります。カープールをすると半額に抑えられます!値段の下にあるのは、到着予定時刻。カープールと単独利用で大差ありません。
カープールでは、GPS機能を使った最新技術で、自分が指定した行き先へ通り道で、乗り降りしたい人がいれば、彼らを拾ったり降ろしたりしながら、指定した目的地まで連れて行ってくれます。
カープールの良いところは、個人でで乗るよりもだいぶお得ですが、若干の回り道があるぐらい(同じルートの人が誰もいない場合は、カープールで車を呼んでも、最初から最後まで誰も乗り降りしない時もあり、その場合はカープールの若干安い値段で目的地まで無駄なく行けます。)で、大幅な時間のロスがないということです。
最初は見知らぬ人と車に乗ることに若干抵抗がありましたが、やはり単独で乗るより安いので、最近は、カープールも利用しています。
また、私がUberのような配車アプリが気に入っているのは、出張等で辺鄙な場所にいても車を呼べたり、運転手のマナーが良かったり(イエローキャブの場合、運転も荒く、失礼な運転手に遭遇する可能性が高いです)という点です。
日本の場合、タクシー業界が強いことに加えて、予約したタクシーは確実に来るでしょうし(アメリカの場合は、実際に来るまで本当に来るか少し心配です)、運転手の方も丁寧で親切なので、配車アプリの必要がないのではないかと思っています。