いまだに世界中に衝撃が走っている安倍元首相死去のニュース。
今日明日とNYの日本総領事館では弔問の記帳を受け付けていますので、今日、昼休みに行ってきました。
オフィスビルが立ち並ぶ中ミッドタウンの中でも一際重厚なビルが多く、金融機関のオフィスが多いPark avenueの大きな建物内にNYの日本総領事館は位置してます。ビルの入り口に小さく日の丸がある以外は表立った目印もないため、一見見過ごしてしまいそうです。
聞いたこともないようなアフリカの小さな国でも"Permanent Mission of XXX (国名)to the United Nations"と大きな看板と国旗を掲げてマレーヒルと呼ばれる高級住宅街のタウンハウスを一棟丸ごと領事館としているのと比べると、NYに大使館や領事館を置いている国の中で日本はかなり控え目なのではないかと、NYの日本総領事館に行くたびに思います。こうしたところにも控え目な国民性が出ているのでしょうか。
こちらが日本総領事館が入居しているビル。写真真ん中の小さな日の丸が目印です(総領事館内で弔問の場所だけ写真撮影可能で、多くの方々が携帯電話で記帳台などの写真を撮っていましたが、なんだか不謹慎な気がして私は一切写真は撮影しませんでしたので、建物外の写真しかありません)
弔問は10時から午後3時まで。それも今日と明日のみ。
かなり限られた日程であるためそんなに人はいないのではないかと思っていましたが、お昼時だったせいか館内には次々に人がやって来ました。
選挙などのイベントがあると使われる別室が今日は記帳のお部屋となっていて、安倍元首相が微笑んだ写真とお花が置かれ、台帳が2つ用意してありました。
私が到着した時は20人弱が待っていました。
名前だけしか記入できないと思っていたら、メッセージを寄せられるスペースもあり、皆丁寧に追悼の言葉を記していて、一人当たりの所要時間はおよそ5分、もしくはそれ以上でしょうか。人によっては、事前に準備した長文のメッセージを携帯電話を見ながら熱心に記入していて10分以上はかかっていたのではないでしょうか。なかなか順番が回ってこないので周囲を見渡していたのですが、年齢はさまざま。若い人はほとんどいず、ほとんどが40代以上の人ばかりで上は70、80代の人も。夫婦でやって来たお年寄り、職場の昼休みにやってきたと思われる女性二人組、小学生の子供を連れてきていた主婦に混じって、1割ぐらいは日本人以外の方々でした。私が記帳したページには英語や中国語のメッセージもありました。
そんなメッセージを見た時、ふと思いました。
もしアメリカの歴代大統領に訃報がありこのような弔問の機会があったら私は足を運ぶだろうかと。
多分行かないと思います。そこまで思い入れがある大統領がいないからです。
グリーンカードは取得したものの、市民権がないためアメリカ人ではないので私はこの国で選挙権もありません。また、陪審員に呼ばれることもありません。そんなこともあって、どんなにアメリカでの暮らしに慣れても、政治が絡んでくると私はよそものなのです。
そう考えると、他国のそれもアメリカから地理的に遠い国の元首相が亡くなった時に記帳に足を運ぶアメリカ人、そして他国の人たちを見ると、安倍元首相がどれだけ影響力があった方かということをひしひしと実感します。
犯人は逮捕されたものの時は戻りません。
犯行のきっかけとなった母親が加入しているという宗教団体の会長の記者会見を見ましたが、終始はっきりしないものだったように思います。
世間の注目を目の当たりにして慎重になっているのかもしれませんが、無理なお布施要請がなかったのかなど、今後しっかりと真相究明を進め、今後宗教団体からの無理強いでまた悲しい事件が起きないことを願うばかりです。
私は先日の記事でご紹介した思い出話に触れながら、最後のメッセージを書きました。ちょうどお隣には、「日本という国を愛するということを教えてくださってありがとうございました」というメッセージがありましたが、強い愛国心で日本を長いこと引っ張ってきた方だと思います。
改めてご冥福をお祈りいたします。
日本総領事館はマンハッタンの中心にあるグランドセントラル駅やクライスラービルからもすぐ近く。