渡米前、ニューヨークのアメリカ企業というと、白人のアメリカ人がたくさんいる世界を想像していましたが、人種のるつぼと言われるニューヨーク、会社内も多国籍です。
こうした環境にいると、色々な国の同僚から話を聞く機会があり、彼らから聞く生の話は、どんな地理や世界史の教科書よりも生きた知識でとても面白く、たまに仕事の手を止めて色々聞いたりしています。
今日は、昨年から時々一緒に仕事をしているパキスタン人のSくんのお話です。
パキスタンというとどのようなイメージでしょうか。
ニューヨークにはインド人は多く、インド人のことはだいぶ分かるようになってきましたが、パキスタン人には会ったことがなく、恥ずかしながら、インドのお隣の国、という知識しかありませんでした。後は、なんとなく貧しそうな国、という勝手なイメージ。
同僚Sくんによると、パキスタンの識字率はたった55%。そして驚くことに、自分の名前を書けるだけで識字率があるとみなされるそうです。
ということは、きちんと学校教育を受けて、大学まで出て働いている人は本当に一握りのようです。
パキスタンの大学を卒業後にニューヨークの大学院を出た同僚は、パキスタンでは相当なレベルということになるようです。
お兄さんもニューヨークでお医者さんをしていたし、裕福な家庭に違いないのですが、小学校は、いわゆる青空教室だったとか。
30度をはるかに超える猛暑の中、屋根もないような炎天下のもと、地べたに座って授業を受けていたそうです。
日本の小学校はなんて進んでいるんだろうと思ったのですが、パキスタンの大学事情を聞いてビックリ。
国内にある大学が少ない分、大学教育のレベルは高く、どの大学でも授業は全て英語で行われるそうです。
また、イギリスのケンブリッジ大学と提携している大学もあり、ケンブリッジ大学の教育プログラムに触れることもできるとか。
Sくんは、ネイティヴではないものの、流暢な英語を話しているのが納得です。
こうしてハイレベルな教育を受け、海外へ渡る人もいるようで、Sくんの親しい友人たちは、全米で5本の指に入るミネソタ州にあるMayo clinicで勤務したりしているそうです。
Sくんの話は未知の世界で興味深く、たくさん聞くことがあるので、話は尽きません。
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