前回(こちらからどうぞ)は、日本ではあまり知られていないパキスタンという国について、パキスタン出身の同僚から聞いた数々の話を紹介しましたが、今日も私の備忘録で、パキスタンの紹介です。
それは、1947年に分離するまで、両国は一つの国だったから。2つの国に分けるとき、ヒンズー教徒の多いエリアをインド、イスラム教徒の多いエリアをパキスタン、というのが大きな目安となったため、歴史や文化的にそれ以外で両国に大きな違いはないようです。
また、パキスタンとインドの国境近くは、それぞれの宗教が混じりあっているため、私の同僚は、インド国境に近いパキスタン生まれで、パキスタンでは少数派のヒンズー教徒です。
あまり宗教にこだわりのない日本人からするとただただ驚くばかりですが、海外では、宗教は毎日の生活の一部。
宗教により、考え方や食べ物、さらには結婚相手まで左右されることもあるのです。
同僚Sくんによると、ヒンズー教とイスラム教の一番の違いは、家族の定義。
イスラム教徒の場合は、親戚はあくまで親戚なので、いとこと結婚することもごくごく普通にあるようです。
しかし、ヒンズー教では、いとこは兄弟と捉えられているので、いとことの結婚は絶対にあり得ないそうです。
はたまた、同じ苗字の人も、元をたどれば同じ家族と考えられるので、苗字が同じ人との結婚も宗教上禁じられているとか。
(これと似た話は韓国にもあり、韓国でも苗字が同じ人と結婚できないケースもあるようです。)
言語は、パキスタン全土での公用語はあるものの、いくつかに分かれた地域単位で使われている言語の方が一般的であるので、日常生活はそちらの言語が主流となっているそうです。
ただ、公用語も理解はできるので、私の同僚Sくんはそれに英語が加わり、なんとトリリンガルです。
英語だけでも四苦八苦している私にとって、トリリンガルの世界は想像もできませんが、私の周りにはトリリンガルの子たちは珍しくありません。
カザフスタンの友人は、ソ連が崩壊するまではカザフスタンはソ連の一部だったため、ロシア語がネイティブで、それに加えてカザフスタン語と英語が堪能です。
カザフスタンの友人とはカザフスタン語で話し、ウクライナの友人とはロシア語で話すという起用な使い分けをしていました。
NYにいると、日本にいたら出会わないような国の人たちが身近にいて、彼らからその国の生の話を聞けるのは、どんな教科書よりも生きた情報で、私はいつもそんな時間を楽しんでいます。