これから夏にかけては引っ越しの季節。
アメリカでは5月に学校が終わるため、新学期が始まる9月までは夏休み。そんなこともあって、この夏の時期には人の動きが活発化します。
お引っ越しのお決まりといえば、Moving sale。インターネットを通じてモノを売り買いする人も多いでしょう。
NYでは、自宅の前で手軽にお引っ越しセールを行う人もいます。
先日、いつもの道を散歩していたら、路上に広げられたテーブルの上にあるさまざまな物を発見。
おしゃれなタウンハウスに住んでいた家族がお引越しということでMoving saleを開いていました。
私の目に飛び込んできたのは、絵本や本の数々。
その中で、特に面白そうだと思ったこちらの本を購入しました。
「ニューヨークで見逃せない111の場所」。ニューヨークおたくにとっては中を見ずにはいられないタイトルです。写真にある通り、たったの3ドルでした。
著者は生粋のニューヨーカーでフリーランスライターの女性です。ご縁があってこの本を出版することになったそうです。
本を開いてみると驚きの連続。13年もこの地にいるのに知らない場所ばかりでした。
ガイドブックにも絶対載っていないような場所も。でも、ブルックリン生まれ、クイーンズ育ち、そしてマンハッタンでキャリアを築いた女性が選びに選び抜いた111の場所なので、きっと一見に値する場所なのでしょう。
そんなことを考えながら、ページをめくってみると、マンハッタンの中心地。簡単に行ける場所もいくつもあることが分かりました。
今日はこの数日の間に行ってみたいくつかの場所をご紹介したいと思います。
これだけ見たらなんだか分からないかもしれませんが、ビルの壁面3階分にわたるスペースを使って作られた世界最大のチェスボード。ビジョナリーデザインの専門家であるメルヴィン・カウフマンさん(Melvyn Kaufman)さんが、父親が所有するビルを楽しく機知に富んだものにしようと考案したそうです。そして、驚くことに、このチェスのボードは歴史的な試合を再現したもので、1982年の設置以来、毎週水曜日の正午にコマの配置が変わるそうです。クレーン車でも使わないと届かない高さ。それでも、見る人を楽しませようとする心意気にびっくりしました。
場所は、767 3rd avenueの建物の壁面。48丁目の3rd avenueと2nd avenueの間です。
そして、ここから遠くない場所にあるもう一つの見どころが、キャサリン・ヘップバーン・ガーデンです。そう、あの有名なアメリカを代表する女優さんの名がついた公園です。
この公園が位置するのは、このブログでも何度かご紹介したことがあるNYで一番有名な日本文化紹介施設、Japan Centerの真向かい(写真の左手奥の灰色の建物がJapan Societyです)。なお、この写真に大きく写っている遊歩道も公園ですが、キャサリン・ヘップバーン・ガーデンはこの写真では右手の少し暗くなっている場所です。
残念ながら公園は現在は一般公開していず、外からしか見ることができませんでしたが、可愛い小道でした。
キャサリン・ヘップバーンはNY州のお隣のコネチカット州出身。1932年に両親とこの公園の近く(Turtle Bayというエリア)に移り住み、その当時からブロードウェイに出演していたそうです。ブロードウェイの劇場街までは、ここからひたすら西に歩いて20分ほどの距離。徒歩で通っていたのでしょうか。
そして、その後60年、生涯を終えるまで、このエリアに住み続けたそうです。
90歳のお誕生日の時に、近隣住民の人たちにこの公園に自身の名前をつけてもらって微笑みを浮かべていたと言います。
残念ながら一般公開はされていませんが、今でも丁寧に手入れされている様子が伝わってきました。彼女の功績を讃えるパネルも。
そしてそのすぐ裏手は国連。こちらは国連の向かいにそびえ立つ関連施設です。6月はプライド月間。LGBTQの人たちの権利保護を再認識する月でもあります。建物内にはLGBTQの人たちの象徴のレインボーフラッグがいくつも。
他にもこの本には面白そうな場所がいくつも載っていましたので、こちらで少しずつご紹介していけたらと思っています。