1週間ほど前からメディアで囁かれていたエリックアダムス市長によるコロナ規制の一部撤廃が、ついに3月4日の金曜日に発表されました。
本日3月7日から、公立の学校でのマスク着用義務、そしてレストランやカフェでの店内飲食でのワクチン証明義務がなくなったのです。
パンデミック発生から2年。こんなにも長いパンデミック、そして様々な規制による日常生活の制限は、誰が予想したでしょうか。
静かな土曜日の朝。マンハッタンで唯一のプライベートパークであるグラマシーパーク。この公園の周囲、グラマシーの住所がないと鍵をもらうことができない特別な公園。いつ通っても中にはほとんど人がいません。
パンデミックによるロックダウンで、一時期はゴーストタウンとなっていたマンハッタン。
やっと規制が緩むかと思った矢先でのオミクロンの猛威。ホリデーシーズンと重なり、観光客は思ったほど戻らないまま2022年が幕を明けたのでした。
オミクロンによる感染拡大の脅威は、パンデミック発生初期の頃と変わらないとも言われていましたが、これ以上ビジネスを止めることができないため、街は普通に動いていました。しかし、リモートワークの普及や外出を控えている人たちが多いことも相まって、マンハッタンは大きく変化しました。大きなブランドの紙袋を下げた観光客を多く見かけていた5番街には閑古鳥が鳴き、代わって怪しげなバッタ物を売る人が堂々と閉店してしまったお店の前で高級ブランドを模したカバンを売っているような衝撃的な光景ももう長いこと見かけています。
ただ、名物の観光バスが動き出しているのを見かけたり、タイムズスクエアを闊歩する多くの観光客を見かけたりもし始めました。
そんな矢先についに発表されたコロナ規制の一部撤廃。
レストランやカフェの経営者たちはどれだけ喜んでいることでしょうか。
こちらが昨日までレストランやカフェに貼られていた店内飲食にワクチン証明を義務付けることを伝えるポスター。ようやくこれが取りはがされる日が来ました。
店内での飲食のワクチン規制により、お客さんが激減したことは明らかです。
もうあまりお金をかけられないのと、ホームレスの溜まり場となってしまうことを避けようとして、去年の冬には大盛況だった屋外席を閉めるお店も多い中で、寒い冬の中での営業は大変だったはずです。また、在宅ワークの普及により、仕事後にふらっとバーに立ち寄ってハッピーアワー(バーが賑わう夕食の時間前の夕方早い時間帯にお酒が低価格で提供されるシステム。多くのバーがお客さんを獲得のために実施しています)をしたり、友人たちと外食へ、ということもほとんどなくなったことに加えて、観光客や出張者の数も依然とはほど遠い低水準のため、マンハッタン全体で飲食店は苦戦しています。
今回の規制緩和は、コロナ規制のうちのごく一部の緩和で、引き続き公共交通機関ではマスクの着用が義務付けられています。
また、ブロードウェイミュージカルも今月いっぱいはワクチン証明が必要だそうです。
日本の折り紙に影響を受けたというフランス人アーティストの作品で華やぐミッドタウンのパークアベニュー。
ただ、確実にポストコロナへの第一歩を踏み出したニューヨーク。
一方で、人々の価値観は大きく変わり、今やリモートワーク以外の仕事はしたくないという人が急増し、キャリアチェンジする人も多く、良い人材の確保がさらに困難になっているとも言われています。
新たな価値観のもとでの門出。マンハッタンの街は今後どのように変わっていくのでしょうか。
そんなことにも注目しながら、ポストコロナのマンハッタンライフを楽しみたいと思います。
ブライアントパークで突如人だかりがあり、目を向けた先にこの可愛い子が。隣で望遠カメラで撮影していたおじさんに聞いたところ、American woodcock (アメリカヤマシギ)という取りだそうです。両手に乗るぐらいの小さな鳥でしたが、その場の人たちの目を釘付けにしていました。
どこからやって来たのかと思うほどの望遠カメラ率が高かったこの日のブライアントパークの一角。