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NY在住者から見た今年のアメリカ、そしてNYの行きつく先とは?!

あっという間に今年も残り数えるほどになりました。
マンハッタンは、ホリデーシーズンの飾りつけで華やいでいますが、アメリカの11月の失業率は4.6%へと上昇し、NYのこの時期の盛り上がりは昔のようではないことを感じます。

この記事のカバー写真と同じく、ロックフェラーセンターのクリスマスツリー。ツリーが良く見える場所に住む友人が点灯式の日に自宅に招待してくれて、上からツリーの点灯を眺めました。ツリーの周りにはかなりの人だかりが!

今年1年を振り返ってみると、トランプ政権に始まり、トランプ政権に終わるというほどに、多くの人が2期目のトランプ政権に翻弄された日々だったかもしれません。

新政権早々は、突如始まった厳しい移民対策が連日大きなニュースとなり、次々と発表される新しい施策は、ビザの取得をどんどん厳しくするもので、企業の人事政策、さらには、今後の採用問題にも発展しています。優秀な移民たち、また、ブルーカラーと呼ばれる仕事を移民たちが担ってくれていたからこそ成り立ってきたこの国の根幹について、移民の一人である私も考える機会が多かったです。

どのようなことがあっても、マンハッタンは動じず

その後は、トランプ関税で世界中が混乱に巻き込まれました。自国のビジネスを保護したいという右派的考えが行きついた先が、国際交易がここまで進化した現代にどこまで理にかなっているのかは、今でも分かりません。

私自身は、幸い今年は多くの仕事に恵まれ、腰を据えてブログを書く時間がなかなか取れないほどでしたが、私の周りの状況に目を向けると、トランプ政権に翻弄された人たちも多かったです。

中国からオフィス用品を輸入する小企業に勤めていた友人は、トランプ関税の影響が直撃し、社長が突然会社をたたむことにしたため、突然転職活動を余儀なくされています。風力発電事業は新政権下で補助金が大幅に削減され、友人が勤める会社はこの部門を突如閉鎖することにしたため、友人は転職することになり、新会社での勤務を始めました。南米からの移民である私の友人の友人は、厳しい移民政策による検挙を恐れ、ニューヨークから他州へと引っ越しをしたそうです。

長引く不景気、高止まりの物価の中で、"Make America Great Again"をスローガンとした諸々の施策の成果はまだ見えていないのが現状です。来年以降、トランプ政権の政策はどのような形でアメリカで暮らす人々の生活に現れてくるのか、注視していきたいと思います。

不景気を吹き飛ばすかの勢いの華やかなメリーゴーランド。後ろに映っているのは庶民派デパートの象徴的存在であるMacy's

また、ニューヨークに目を向けると、来年1月1日にニューヨーク市長に就任するマムダニ氏に多くの人が戦々恐々としていることは間違いありません。社会主義者を名乗るウガンダ生まれの若干34歳。1年前まで知名度はほとんどなかったこの方が、NYの政治家として知らない人はいないほどに有名なアンドリュー・クオモ氏を直接対決で倒したことは、ニューヨークを超え、全米で話題になりました。

アンドリュー・クオモ氏と言えば、パンデミックの時期のニューヨーク州知事。毎日精力的に記者会見を行い、一時期はニューヨークの人たちのヒーロー的存在でした。その彼がセクハラ疑惑で失職し、政治生命の復活を賭けて立候補したのが、このニューヨーク市長選挙だったのです。それだけに、クオモ氏がマムダニ氏に敗れたことは、ただの敗戦以上に大きな出来事として刻まれることとなりました。

マムダニ氏の政策は、最低時給の大幅引き上げ、家賃の値上がりの凍結、公共バスの無償化、一定年齢の子供たちの保育所の無償化と、どこまでも貧困層に寄り添ったもの。経済の仕組みが少しでも分かる人にとって、夢物語のような政策に見えることでしょう。

究極的にニューヨーク市民が求めているのは、暮らしやすく、安全な街。マムダニ氏は果たして、ニューヨーク市民の期待にこたえられるでしょうか。

私はマムダニ氏の当選で、また別のことにも注目しています。それは、彼がイスラム教徒ということ。キリスト教徒とユダヤ教徒が主流のニューヨーク市において、イスラム教徒の市長が誕生するというのも、注目に値すると思います。人種のるつぼと言われるニューヨークは、世界の縮図でもあり、ニューヨークで起こっていることを見ると、世界の動きが見えることも少なくありません。マムダニ氏の当選は、今後の世界において、イスラム教徒の勢力が強まっていることの暗示ではないかと思います。それがどこにどう影響するかまではまだ分からないですが、そうした視点でも、マムダニ氏の言動、そして手腕に注目していきたいと思っています。

 


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