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「ビザ」から考える小室さん NY就職の可能性

傘がいらないぐらいに雨が少ないことで知られるニューヨークですが、今年は様子が違うようです。
夕立や雷が頻繁に発生し、ニューヨークらしくない湿度の高い夏を過ごしています。

ずいぶん前からメディアでニューヨークの名門ロースクールに通う眞子さまの恋人、小室さんの記事を見かけますが、その中にはロースクール卒業後のNYでの就職の可能性を報じる記事もありました。
このブログでは、私自身が就労ビザの取得に苦労した経験から、アメリカで就職するための経験談を多く書いてきました。
NYで就職するために避けて通れないのがビザの壁。
今回は、ビザという視点から、小室さんのNYでの就職の可能性について考えてみたいと思います。
(この記事は、お二人の結婚についての賛否ではなく、純粋にビザという視点から、NYで働くためにはどうしたら良いのか、という内容です)

小室さんがNYで就職するためのビザとして、どのようなケースが考えられるでしょうか。

一番一般的な就労ビザは、H1Bと呼ばれる移民の多くが取得している就労ビザです。
これは、どのような分野であれ、特別なスキルがある人、その可能性がある人に対して発行されるビザです。
その分野でアメリカ人にはないスキルを持っていることを示す必要があるため、ある分野で秀でた技術を持っていることが必要です(IT技術者、ファッションデザイナー、マーケティング、会計の分野での勤務など)。

また、それ以外でも、特定の分野での専門技術と英語以外の言語が必要な仕事である、ということを示すことでもビザの取得が可能です。
小室さんのケースであれば、NYにオフィスを構える日系弁護士事務所、また、かなり限られてくると思いますが、アメリカの弁護士事務所の日系サービス部門に就職して、日本とやり取りのある案件、アメリカ国内で日本語を必要とする案件を対応するということでのビザの申請が考えられると思います。

アメリカの大学や大学院を卒業するとOPTと呼ばれる1年間の就労権利が得られます(学校で学んだことを社会で生かすために得られるビザです)ので、OPTを使って法律事務所に就職して、その法律事務所にH1Bビザのスポンサーになってもらう必要があります。

H1Bビザは「就労」ビザですので、必ず就職先が決まっていて、その会社がスポンサーになる必要があります。
ビザの申請費用は会社負担ですので、アメリカの多くの会社はビザのスポンサーにはなろうとしません。
そのため、かなり狭き門ではありますが、ビザのスポンサーになってくれる法律事務所にまずは就職することが鍵となります。

次のハードルは、H1Bビザの審査に受かること。
最近では、インドからの優秀なIT技術者がアメリカに多くやってきてテック企業にH1Bビザのスポンサーになってもらっていることもあり、H1Bビザの競争率は激化しています。年間発行枠があり、アメリカ政府は一定数のH1Bビザしか発行しないからです。
さらに審査で大変なのは、基準給与を突破すること。H1Bビザは特定の専門分野で優れた人に対して発行されることから、そうした人はそれなりのお給料をもらっているということで、それぞれの産業ごとに基準給与が決められています。
トランプ政権になって、その基準額はだいぶ上がってしまったので、新人とは言え、かなり良いオファーをもらわないといけないことになってしまいました。

OPTが有効な1年の間に、就職先を見つけ、その会社にH1Bビザのスポンサーになってもらい、さらにはH1Bビザの書類審査に通るというのは、アメリカで就職するために一番一般的な方法とは言え以前から大変なことでしたが、今ではそのハードルはかなり上がってしまっています。(アメリカの大学を卒業した日本人の多くが、アメリカで就職せずに日本へ帰国してしまうのはこのためでもあります)

大好きなブライアントパークは、オフィス街のど真ん中にあります。お昼時にはランチする人も。

 

それでは、H1Bビザ以外の可能性はあるでしょうか。
駐在員の多くはLビザという駐在員用のビザで渡米していますので、NYにもオフィスを構える日本の大手法律事務所に就職して、その事務所からの駐在という形でLビザを取得することが考えられます。
ただ、駐在員の場合、本社での経験を生かして現地子会社で仕事をするという流れになり、ビザもそうした視点で審査されますので、新人がLビザを取得していきなりNY勤務ということは制度的に難しいでしょう。

他にはJビザという研修生ビザがあります。
このビザは、一定期間(1−2年)アメリカで就労し、その経験を母国で生かすことが求められるビザです。
研修生ビザの場合、その名の通り研修生という位置づけですので、あまり高いお給料や専門的な仕事は期待できないでしょう。

こうして見てみると、小室さんがNYで就職するためには、卒業後確実に司法試験に受かり、NYで法律事務所に就職してそこで成果を出してH1Bビザのスポンサーになってもらう、という流れになると思います。

司法試験は、英語で受験しなければいけないこともあり、ネイティブでない人にとっては大変なことは間違いありません。
5月にロースクールを卒業後、塾に通って猛勉強して試験に臨む、と聞いたことがあります。

ある記事には、国連で働くことも可能では、と書かれていましたが、国連で働くためには、英語、フランス語、スペイン語、ロシア語、中国語、アラビア語のいずれかが流暢で、もう一つ別の言語も高いレベルがないと応募できません。そのため、英語のみでは候補者の要件を満たしていず、試験を受けることができません。

私は法律の分野の専門家ではないのであくまで一般論ですが、アメリカの弁護士資格を取った場合、その資格は、日本よりもアメリカでの方が重宝されることは間違いありません。法律は国によって異なるため、その国での資格が重視されるのです。

フォーダム大学は、法律の世界で有名な私大で、日本で言うと中央大学のようなイメージです。
アメリカの大学や大学院を卒業することは簡単なことではありません。
弁護士のような専門家の世界は、常に知識の更新が必要で大変なキャリアですが、その分やりがいもある道だと思います。
弁護士の仕事と一言で言っても様々な分野があり、それぞれの分野でのスペシャリストとなることが求められます。
小室さんが、アメリカのロースクールでの経験を生かしたキャリアを歩むことができますように。


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