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アメリカ国民の審判・バイデン政権への通信簿

アメリカでは日本と違ってなぜか選挙は平日に行われています。

そして、今日はバイデン政権にとって、とてもとても大切な日。中間選挙の投票日です。
アメリカ大統領の任期は4年ですが、ちょうど2年が経った時に行われるのが中間選挙なのです。

アメリカのメディアでも今回の中間選挙のことは大きく報道されています。
それはなぜでしょうか。

中間選挙は、現職大統領のここまでの通信簿的な意味合いがあるのです。
また、上院100議席のうちの3分の1、下院435議席の全てがこの中間選挙で入れ替わるのです。
現在はどちらも僅差で民主党が過半数を占めている状況ですが、中間選挙の結果次第では共和党が過半数となる可能性があり、そうなるとバイデン政権にとっては法案が通りづらくなり、政権運営、ひいては2年後の大統領選挙にも響いてくるのです。

トランプ氏から政権を奪ってからあっという間に2年。就任直後にコロナによるパンデミックとなり、人々の生活、そして経済は様変わりしました。私はグリーンカード保持者にすぎずアメリカ国民でないため選挙権はありませんが、今回の選挙には特に注目しています。
大統領が変わっても、一般庶民の生活は全く変わっていないどころか、驚くような物価上昇により、日々の暮らしの質が悪化している人は多いです。

そのような状況の中で、国民はこの選挙でどの党に投票するのでしょうか。トランプ氏はまだ正式に立候補を表明していませんが、2年後の大統領選挙に戻ってくることは間違いないでしょう。共和党がこの中間選挙に勝利すればトランプ氏への追い風になります。一方で、史上空前の物価高の状況で国民はバイデン大統領をサポートするのでしょうか。

こんな状況を知っているのか知らないのか分からないですが、いつものんびりの我が猫。最近は窓の外で移り変わる紅葉が楽しいようで、よく窓辺でこんなふうにして過ごしています。

 

物価高と言ってもあまりイメージが湧きにくい人もいるかもしれません。
パンデミックによる物流の混乱で輸送費が高騰したことで商品価格は徐々に値上がっていきましたが、それに拍車をかけたのがロシアのウクライナ侵攻。ガス代や燃油税の高騰で、さらに輸送費が値上がっているのです。それだけではなく、パンデミックにより仕事や生活スタイル、居住地を変えた人が増えたことにより、慢性的な人手不足が続いていて、人材を確保するために会社はお給料をあげているのです。そのような状況下でも利益を出すために、販売するモノやサービスの値段が上がっている、というのが現在の状況です。
全てのものの値段が上がっていると言って過言ではないのですが、例えば、我が家の近所のホールフーズでは、梨が1つ$3.99(現在のレートで換算するとなんと550円以上!)もしています。ちょっとしたランチでも$20以上は当たり前。
NYでは家賃価格の高騰も凄まじく、私が夏まで住んでいた物件の家賃は、私の退去直後に1ヶ月あたり$700(10万円以上)も値上がりしました。

物価高以外に最近ニューヨークで社会問題となっているのが移民問題。
トランプ政権下で作られたメキシコとの間の壁と厳しい移民政策により、当時はアメリカへ入国する不法移民は限定的でした。一方で、不法移民に対して緩いバイデン政権。それを待っていたかのように、中南米から命からがらアメリカへと徒歩でやってくる不法移民たちが急増しているそうです。そうした人たちは、南部のテキサス州やフロリダ州に流入してきていますが、歴史的に共和党が強いこれらの州では共和党の州知事が、激怒してしまったのです。アメリカへビザもなくやってきた人たちを拒否することはできませんが、そうした人たちが増えてしまうと、州としては税金を納めない人たちを州の税金でお世話しなければいけないという矛盾が生じて、州の財政の悪化にもつながってしまうからです。また共和党の地盤が強い場所では、住民たちからの指示も得られず、州知事としては自身の評価にも繋がりかねません。

そこでこれらの知事がとった行動が、なんと、そうした不法移民たちを民主党の州知事がいるニューヨークやシカゴへとバス等で送り込むという驚くべきもの。これにより、ニューヨークの公立学校では不法移民の子どもたちの受け入れに奔走し、また、子どもたちの両親の生活のサポートで市は対応に追われています。中南米からの移民たちは英語もあまり話せないことでしょう。そして、もちろんアメリカでの生活は初めてのこと。ニューヨークではここ数ヶ月こうした不法移民たちの受け入れが社会問題となっているのです。

母国で貧しい生活を強いられ、腐敗した政権下で未来も見えない人たちが、一大決心をしてアメリカへやってきています。
そんな彼らをむげに断ることは人道的にも良くないとは思いつつも、無条件に受け入れを続けていってしまうと、一生懸命働いて納めた一般市民の税金が、そうした一般市民たちのために完全に使われなくなってしまうという矛盾が生じてしまうのも事実です。
白か黒かの判断ができない非常に難しい問題で、これはもはやアメリカが抱える問題というよりも国際的な問題なのではないかと思います。

さぁ、アメリカ国民は、バイデン政権にどんな採点をつけるのでしょうか。
今夜の開票結果を待ちたいと思います。

どんな状況でも、美味しいものを食べて人生楽しむのが一番!今年知り合ったNY在住歴が長くなんでも知っている姉御のような友人と行ったオーストラリアのカフェ、Citizensのココット。オーストラリアは行ったことないですが、ここのカフェのごはんはどれもさっぱりとした上品な味付けで美味しかったです。マンハッタンにいくつか店舗があります。


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