NYは場所柄、日本食レストランはたくさんありますが、そのほとんどは、「Japanese」というとお客さんが来ると知っている韓国人や中国人が経営しています。
日本人も一定数住んでいるので、日系スーパーもありますが、広いマンハッタン内にたったの6軒しかありません。そして品揃えは、スーパーとコンビニの中間のような形態、いわば田舎のxx商店といった感じです。
それでも、不思議なことに、NYには、日本のどこよりもおいしいお寿司屋さんと焼き鳥屋さんがあります
海外にそんなにおいしい日本食屋さんがあるの?と思われる方も多いと思いますが、日本で修行を積み、その実力を海外で披露し、「和食」の素晴らしさを伝えたいと、日々切磋琢磨している熱い料理人たちが集まっているのが、ここNYなのです。
お寿司屋さんは、以前こちらでもご紹介した牛若丸。
そして、NYで唯一、焼き鳥屋さんとして、ミシュランの星を獲得しているのが、鳥心。
日本にいる頃、焼き鳥は、鶏の鮮度が重要で、誰が焼いても大差ないと思っていたのですが、ここ鳥心の大将の焼き加減は、言葉にできないほど絶妙です
ペンシルバニア州のアーミッシュが育てているオーガニックな鶏を使っているというこだわりだけでなく、串の重さで焼き加減を把握し、レアぎりぎりの状態で出してくれる串は、まさに芸術の域。
おすすめはおまかせコース。
焼き鳥の串セットに口直しの前菜2品、ごはんもの(お茶漬けや親子丼から選択)、デザートのシャーベットまでがついた豪華コースです

味はもちろん、盛り付けも美しい前菜。
大将と一緒にお店を切り盛りする共同経営者の方が、前菜メニューを考案されているのですが、季節の品を取り入れて、2週間に1回ぐらいの頻度で変わるこの前菜メニューも、本格料亭のような美味しさ。

臭みの全くないレバー。レバーの常識を覆す一品。

おまかせコースの前菜二品目は、とろろ。

フランスパンにウニを乗せて食べる斬新な前菜。この絶妙な組み合わせが人気で、季節限定でしたが、正規メニューに昇格しました。

完璧な焼き加減で出される串。焼き鳥好きの人には、あえてアメリカ人に出すものよりレアな焼き加減で出してくれます。お客さんの好みに合わせて加減を調整できるのは、さすがプロです

人気メニューのソリレス。

コースの最後はつくね。
カウンターとテーブル席という決して広いお店ではありませんが、昨年は、なんと2万人ものお客さんが訪れたそうです。
現在、広いスペースへの移転準備中。新たなお店でさらなる進化を図り、焼き鳥店として、日米合わせて初めてのミシュラン二つ星を狙うこのお店から、目が離せません。

清潔感あふれる素敵な店内。手前が大将の池田さん。いつも温かく迎えてくれます。池田さんから聞く焼き鳥への熱い想いには、いつも高いプロ意識を感じ、尊敬しています。
