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世紀の大統領選挙・勝利の鍵は?

ついに明日に迫った世紀の大統領選挙を控えてアメリカは盛り上がっています。ビジネスマンで政治は未経験のトランプ氏が突然立候補し、あれよあれよという間に政治の世界のベテラン、ヒラリーさんを追い上げての選挙の盛り上がりは、その前のオバマ再選の時とは大違いでしたが、4年前はトランプ氏が本当に勝つと思っていた人はそんなに多くなかったのではないでしょうか。

ただ、今回の選挙は、蓋を開けてみないと全く結果が分からないので、どの州を取れば勝てるとか、事前投票の結果がどうだった、というニュースでメディアは盛り上がっています。

どちらの候補が勝っても暴動が起きるのではとの予測のもとで、先日のBlack Lives Matterの二の舞になることを恐れ、マンハッタン中の店舗が、外を板張りにして、ガラスを割られたり、略奪が起きたりするのを防ごうと、選挙前日の夕方は大忙し。

前回の記事(こちら)に書いたように、選挙人制度を採用しているアメリカでは、どちらの候補が勝つか分からない混戦州(いわゆるswing statesまたはtossed up states)の結果が重要です。swingは揺れるという意味で、tossed upは、表が出るか裏が出るか分からないコイントスのイメージ。こうした用語を勝敗が分からない混戦州を表現するのに使うのは面白いです。

マンハッタンの中心、エンパイアステートビル付近。選挙前日の夕方には完全バリケードが完成していました。
こちらはグランドセントラル駅向かいの老舗イタリアンレストラン。巨大な宴会場のような場所でコロナ前には、レッドカーペットのイベントを開いたりしていましたが、今は完全板張り。

たった今見たCNNによる混戦州の分析がとても面白かったので、こちらでリンクとともに、私の要約をシェアしたいと思います。広いアメリカ。混戦州の中でも、基本的に大都市は民主党寄り、郊外や田舎は共和党寄りという結果は明らか。重要なのは、どちらに転ぶか分からない地域です。CNNはこれに注目して、注目の混戦州の分析をしていました。

州の名前だけ書いてもイメージが湧かないと思いますので、それぞれの州の簡単な説明は私が付けてみましたが、選挙予想はすべてこちらのCNNの動画の要約です。

アリゾナ州:砂漠の州。日本人には、スピリチュアルスポットのセドナが有名。
・温暖な気候の南部の州の一つ。1996年のビル・クリントンの勝利を最後に共和党の地盤に。ただ、人口構成が大幅に変化している地域で、前回は3.5ポイント差でトランプ氏が勝利したが、今回は大混戦の模様。

フロリダ州:ディズニーワールドやおしゃれなビーチのあるマイアミと人気の観光地をもつ州。カリブ海クルーズの終着点もある。温暖な気候を求めて、退職後に移住する人が多い。
・毎回選挙で混戦州となっているフロリダ州。ニューヨーク出身のトランプ氏ですが、今回の選挙は登録をフロリダ州に移したため、形式上、トランプ氏のお膝元(トランプ氏はフロリダに有名な巨大別荘を持っています)。
・ビーチで有名なマイアミやディズニーワールドのあるオーランドは、北部の他州の富裕層が退職後に移住していて、民主党基盤。ただ、前回の選挙では、州全体の得票数で見ると、65歳以上から圧倒的支持を受けていたトランプ氏。今回、高齢者がどちらの支持に回るかで結果が変わるかも。

ジョージア州:一番有名な都市は、キング牧師の出身地でもあるアトランタ。コカ・コーラやCNNの本社があるのもアトランタ。
・1992年はビル・クリントンがジョージ・W・ブッシュに勝利したが、前回の選挙では、トランプ氏が勝利。アフリカンアメリカの多いアトランタは民主党が強いが、他の地域は共和党寄り。

アイオワ州:めぼしい観光地はなく、ひたすらとうもろこし畑が広がっているイメージ。典型的なアメリカの田舎州。
・もともとwhite state(白人層が多く、民主党等支持)で、オバマさんは2回ともこの州で圧勝したが、前回の選挙ではトランプ氏が圧勝して形勢が逆転したため、今回目が離せない州の一つ。

ノースカロライナ州:日本人にとって特に目立った話題はない州ですが、州都のラレイ(Raleigh)には、大手を含む多くの日系企業が子会社を構えています。
・前回はトランプ氏が勝利。アフリカンアメリカンの比率が減少すると共和党寄りの州となる。

オハイオ州:北にクリーブランド、南にコロンバスを抱えている大きな州。コロンバスと言えば、本田技研が北米最初の拠点を設けた場所として知られています。女性に人気のアメリカの下着メーカーVictoria's Secretの本社もなぜかコロンバスにあります。
・アフリカンアメリカンの多いクリーブランドは民主党の地盤。一方で、クリーブランド郊外のある地域は、オバマさんが2度制したにも関わらず、前回はトランプ氏が圧勝。こうした州でバイデン氏が票を取り戻せるかが鍵となる。

こうして見てみると、オバマ時代には民主党が制していた地域を、前回の選挙でトランプ氏が勝ち取ったことが、トランプ氏が前回当選できた秘訣にも見えます。もちろん支持政党を変えた人も過去にいたと思いますが、民主党と共和党の政策は対局にあるので、そういったことはあまりなさそうです。一体どうやってオバマ氏が勝った地域をトランプ氏が勝ち取ったのかは分からないですが、人口移動による人口構造の変化もあるかもしれません。

先日面白い話を聞いたのですが、義烏指数という言葉が前回の選挙で生まれたそうです。日用卸雑貨生産で有名な中国の都市名から来ていますが、この都市は、アメリカのメディアがこぞってヒラリー当選を予想している中、選挙応援グッズの生産状況からトランプ当選を当てたそうです。今回の選挙でも、同様の予測をしているそうです。詳細はこちらの記事に書かれています。

https://www.epochtimes.jp/p/2020/08/61607.html

日本では、候補者の選挙演説をテレビで見たり、集会に行ったりということがないですが、こちらでは、大統領候補の討論会に熱心に駆けつける支持者たちや、寄付をする人、グッズを買って貢献する人たちなど、皆それぞれの方法で選挙に参加しています。候補者の政策に注目するため、候補者の名前を連呼するうぐいす嬢が乗った選挙カーが街を走るということもありません。

よく考え抜かれたテレビ局のキャッチコピー!私たちは選挙放送を行いますので、あなたは顔を覆ってください (cover the electionのcoverは、特定の話題などを取り上げるという意味です)。
民意を反映した選挙は皆の投票があってこそ。ペットショップのサイトでも投票を促しています(笑)

果たして勝利の女神はどちらの候補に微笑むのでしょうか。

❤︎インスタ情報: ブログに載せきれていない写真はインスタで紹介しています。あと、愛猫の近況も。ぜひインスタでニューヨークの景色をお楽しみ下さい^ ^

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