NYで夏を楽しむ

真夏の夜の夢 at セントラルパーク

よく外国人の友達に、ニューヨークと東京とどちらが物価が高いか、と聞かれます。観光で日本からNYへ遊びに来ていたときには、私は間違いなく「ニューヨーク」と答えていたと思うのですが、こちらでの生活が1年近くになった今は、「家賃を除けば」東京のほうが物価は高と答えています。

食費や生活費を考えるとほぼ同じだと思うのですが、総合的に日々の生活を楽しむためにかかるコストで考えた場合、ニューヨークのほうが低コストで楽しめることがたくさんあります。
なぜなら、無料で楽しめるイベントがあちこちで行われており、無料だから質が低いということはなく、日本では高いお金を払わなければ機会は得られないようなコンサートや美術展のようなものまで無料で開放されていることがあるからです。

全米一物価が高いといわれている都市なのに、無料でエキサイティングなイベントがたくさん楽しめるとはなんとも不思議です。


しかし、NYではこうしたイベントは、平日週末を問わず、日々いたるところで行われているので、情報収集を怠ると、全く恩恵を享受できないことも事実です。

夏至も過ぎ、さあ夏本番というNY。あちこちで開催されるイベントの数も増えてきました。

私がこちらへ来たのは去年の8月。この1年の間、季節の移り変わりと同時に、アメリカ流イベントであるハロウィン、サンクスギビング、クリスマス等々を楽しんできました。NYにも日本と同様に四季の移り変わりがあり、日本とは違う形でそうした変化を感じてきましたが、一番楽しいのはきっとこの夏の時期なのではないかと思います。

セントラルパークの有名スポット。西72丁目の入り口近くにあるジョン・レノンのイマジンの碑。彼がかつて住んでいたダコタアパートが近くにあることから、ここに作られたのでしょう(ダコタアパートには、今もオノヨーコが住んでいます)。いつも、静かに小さな花束が置いてあったり、ろうそくが灯っていたりすることはあるのですが、こんなにきれいに花が飾られているのを見たのは初めてで、思わず写真撮影

夏といえばサマーステージ。
何気なく私の大好きなピアニスト、上原ひろみちゃのHPを見ていたら、なんとセントラルパークでのサマーコンサートに出演することを発見。

これは、毎年開催されている大イベントで、セントラルパーク内にステージを設け、無料でコンサートが楽しめるというもの。

彼女のコンサートは、日本ではチケット入手もとても困難でいつも苦労していましたが、日本ほど混雑していないNYでは、驚くことに、そんな人気の彼女のコンサートも楽々入れてしまうのです(NY初コンサートの感動体験は、こちらからどうぞ)。

セントラルパークの芝生の中に設けられた屋外ステージ。
19時開始ですが、みんな早くに仕事を切り上げて来たのでしょう。18時にはいす席は満席。後の人々は、芝生にシートを敷いて寝転んだり、持ち込んだ食べ物を食べたりしながら開演を待ちます。その数ざっと数えて1000人以上。

芝生席の人々はこんな感じで開演を待っています。手前の女の子、ステージの絵を描いているのですが、ペン1本なのに、かなり見事な絵に仕上がっていました

芝生席だとステージがよく見えないので、私は舞台袖から立ち見

ステージ横には屋台も出ていて、夜ごはんはホットドック(小)とハンバーガー(小)とコーラ。かなりアメリカンなメニューです。普段健康に気をつけて決して飲まないコーラですが、屋外でのコーラのおいしさにビックリ。アメリカ人がコーラにはまるのも納得です。

一番左端に小さく写るのが、上原ひろみちゃん

今回はベースの人がメインだったので脇役に徹していたのですが、あまりに情熱的な演奏に、最後はスタンディングオベーションで幕を閉じました。

企業の協賛により無料で運営されているこのイベント。失業率も横ばいで、不景気が続くといわれる状況の中で、日々の楽しさは失わないニューヨーカー、そして彼らを支える多くの企業の温かいサポート。サービスを受けるには対価が必要、と思いこんでいた日本での常識を打ち破るこうした試みは、NYをさらにエネルギッシュな街へと昇華させています。


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